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ペルー、巡礼、2017。

Platycerium andinum Baker

巡礼 - Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/巡礼

巡礼じゅんれい、英: pilgrimage)とは、 日常的な生活空間を一時的に離れて、宗教の聖地や聖域に参詣し、聖なるものにより接近しようとする宗教的行動のこと。

 

1998年初春に開設した『俺のビカクシダ』。いま20年目の真っ只中。なにか新しいことをしてみたい、といくつか考えていることがあるのだけれど、そのなかからセレクト。アンディヌムに逢いに、ペルー巡礼。

Platycerium andinum

Platycerium andinum

本当にビカクシダが、アンディヌムが好きな人なら、この姿を目の当たりにして畏敬の念を抱かずにはいられない。

一切の邪念が刹那消え去る。アンディヌムだけが意識に残留する。あのとき、自分とそれ以外との境界までもが消え去っていたのではないだろうかと、いま思い返してみるとそんな気もする。日本から遠路はるばる往路33時間をかけて逢いに来て、腕を伸ばせば、ついにすぐそこに、手が届いて触れることができるのに、いざそうしようとするとどうしても決心がつかずためらってしまう。

Platycerium andinum は、もはや宗教である。

 

・・・云々

 

P. andinumは自生地では激減傾向。アンディヌムが好む Quinilla(キニージャと発音(スペイン語発音))という木があるのだけれど、それが建材として伐採されまくっているのが一番の原因。今回、おまえは自生個体数の現地調査をしているのか!という勢いで写真撮影をしたが、発見した株のじつに7割ほどがQuinillaの木に着いていた。つまり、Qunillaが消えたら、アンディヌムの7割が消えると言っても過言ではない。なので、もし「伐採されたQuinillaについていたアンディヌムを救護すれば良いじゃないか」と思ったのであれば、それは問題解決の本質ではないことに注意したい。下手をしたら、この貴重な植物をさらに窮地に追い込むことにもなりかねない。そのような状況はなんとしても避けたいものだ。

現地では地元住民らによる、Quinillaの森を守ろうとする政府管轄下の森林保護活動が何箇所かで見られたが、なかには海外の政府からも資金を得て活動している、とても意識の高いグループもあった。彼らは、周辺地域における自然開発(ダム、森林伐採)の失敗例をいくつも見てきており、森を守ることが自分たちの未来を守ることにつながるのだという強い信念を持っているようだった。そうして Quinillaが守られれば、自ずとアンディヌムも守られる。

我々、趣味家にできることはなにかないのか。なんだろうね?

「自生地に行って、本来の姿を見よう。」

本当にビカクシダが好きなら、木から無理やり剥がされわざわざ日本に連れてこられたうえでむやみに枯らされていく姿は絶対に見たくなくなるはず。

幸い、P. andinumはそこそこ子株を出して増殖する。海外のナーサリーや国内の趣味家によって栽培下で増殖された株を入手することができるから、もしそのような株を得る機会があれば、思いきり特別扱いして自生地にも劣らない見事な姿に育てあげたい。貯水葉の展開が始まってから胞子葉の伸長が落ち着くころまでは十分な潅水が必要。その後の休憩期はすこし乾かし気味に(≠カリカリ乾燥)。空気の動きを好むけれど、直接風を当てず周囲の空気を動かすようなイメージで実施するとなお良し。日照は午前中50%遮光、午後日陰、ぐらいを目安に各々で調整するとよいと思う。

自生地はアマゾン川の源流地域。訪れた時期は雨季の終わり、乾季の始まり。アンディヌムの成長期のおわりであり、胞子葉の伸長もおおかた済んだタイミングだった。森はうっそうと繁っているけれど、歩きまわって汗でぐっしょり濡れた服は休憩中にかなり乾くぐらいの湿度。森のなかには巨大な柱サボテンやこれまた巨大なアガベも生えていたのは驚かされた。いっぽうの雨季は、降り続く雨で道がぬかるみ、車でこの森に近付くことは難しくなるらしい。それとアンディヌムを育てていくうえでとても興味深かったのは、自重で落下した群生株を分けたものが人の手によって森のなかの樹の幹に背の高さほどの位置に着けられていたのだけれども、そのどれもが成長思わしくない様子だったこと。自然に発生して大きく育っている株は、どれも5mほどよりも高い場所に着いていた。とくに大きく綺麗に育っているものはだいたい10m以上の高さにあった。風通しと日照がいかに重要かということだろう。

興味深い"情報"も多く得られた。P. andinumは限られた地域にしか分布しない。聞いたことの断片をまとめると、どうも世界で流通しているアンディヌムの”元”は、だいたい”この辺の山”かなぁという見当がつく。アンディヌムの世界は意外と狭い。

・・・一度で書き切るのは無理だなぁ。また改めて。 

 

 

Platycerium holttumii

から降ってくる何かを必死に受け止めようとするかのように、天に向かって両手両腕を大きく広げる貯水葉。よく目を凝らしていつまでも見つめていると、視線を動かした刹那に本当にいま指が動いたのではないかと錯覚すら覚えてしまいます。一方の胞子葉も、地面に落ちているこれまた”何か”を必死に掴みとろうと、うねうねと必死に手を伸ばすようです。葉脈の交わりや葉の表面のなだらかな起伏が爬虫類の皮膚やその下の筋肉を彷彿とさせ、動物感をよりリアルなものにしているのではないでしょうか。←これは毎回言ってるような気がしますが、ホルタミーの大きな魅力の一つですから、どうしてもはずすわけにはいかない! ・・・ああ、それにしても大きくなりましたホルタミー。

ホルタミーだけではなかなかスケール感が伝わらないので、私が座標軸になってみました。まずはY軸の私。Y軸は170cmぐらいで、その胸元に貯水葉の先がきます。近づく葉っぱを撫でてあげたい気分もしますが、星状毛が取れてしまうのでダイレクトな触れ合いは厳禁です。 傍らにそっと寄り添い、互いのオーラを交換することでコミュニケーションを図るのが正しい方法(諸説あり)。

Platycerium holttumii

↓そしてX軸の私。これはなんというか、どう解説したらよいものか。。

室内栽培で日光が1方向から射すため、胞子葉の成長が、どうしても前の方に抱え込むようになってしまいます。葉が大きいので、日照方向の影響が顕著ですね。上方から光が射せば、胞子葉がきれいに展開してうつくしい姿となるはずです。投光器でも設置すれば良いのでしょうけれど、肩身の狭い集合住宅生活ではご近所さんの視線が気になります。レフ板とか使ったらうまくいくでしょうか。今後チャレンジし甲斐のある改善点ではあります。

Platycerium holttumii

今冬の管理ですが、根腐れに気をつけつつも新しい葉の成長を妨げないように十分な潅水にも気をつけました。今年の10月ぐらい、向かって左側の胞子葉が30cmほどの大きさになり、貯水葉も先のほうがまだ伸長中で全体的に活発に葉が成長している時期は、ミズゴケが乾いていることを確認できしだいたっぷりと水やりしていました。だいたい5日〜7日に1回。年末年始あたりの葉が完成に近づき成長がゆっくりとしてきたころは7日〜10日に1回、たっぷりと。

ですが、葉の成長が完了するあたりの水分量を見誤り、芽付近の貯水葉が黒く変色させてしまいました。水分量が多すぎたのでしょう。盛んに葉が伸びているときに水不足になってしまうことを恐れ、ミズゴケが乾いていないにもかかわらず潅水してしまうことが幾度かありました。それでもしばらくはなにも問題がなかったので、ついついイレギュラーであることに慣れてしまっていたのだと思います。そして気づいたときには黒いおひたし様部分が orz

幸い、異変に早めに気づいたこともあって、深刻な状況には至りませんでした。逆に、黒くなったところの色の変化を潅水タイミングの決定に活用しています(笑)。つまり、黒い部分がみずみずしければ水分は十分に足りているから水はあげない。黒い部分がすっかり乾いて明るい茶色になったら水をあげる、という具合で。

これから2ヶ月前後お休み期間に入ると思います。それにともない、潅水の頻度はもう少し減ると思います。で、そうこうしているうちにまた新しい貯水葉が伸び始めるでしょう。今回のこの大きさでもフルサイズではありません。この2まわりりは大きくなってもおかしくはないと思います。来シーズンはどんな育ちっぷりを見せてくれるか、こわいけど楽しみです。

 

 

そろそろ大晦日

先日、リドレイ1号のメンテを行いました。前回の根腐れメンテでヘゴ板につけなおしてから8年と半年が経ち、なんとなくそろそろメンテした方がいいのかな?と思っての作業でした。きっと、球体の中心部に仕込んだミズゴケが劣化して根腐れもしてそうだなぁー、と心配しながら、球体上部の古い貯水葉を1枚また1枚と切りとってみましたが、なんと、中心部近くでは大量の根が張りめぐっていてカチカチの塊のようなものができていました。そしてその塊はヘゴ板にがっちりとくっついていて、とても剥がせなそうな様子。もう根は生きてはいないかもしれないけれど、腐ってはいない状態です。せっかくこんなにしっかりと根が張っているんだから、このまま封印かな・・・(笑)というわけで、けっきょくリドレイの球体をうすくミズゴケで包みこむだけで作業終了とあいなりました。

途中、せっかくの機会だからというわけで、球体側面部分の貯水葉を取り除いてみたところが下の写真です。2013秋〜2014春にかけて成長した貯水葉の表面にはもう根が伸びていました!そして枯れた貯水葉はしっとりと水分を含んでいました。リドレイを持ってみてかなり軽かったので、もう水が切れているのかと思っていましたが、内部がまだこんなにしっとりとしているとは。リドレイの枯れた貯水葉にはまったく貯水能力がない、とこれまでずっと考えていたので、これは意外なことで驚きました。スポンジ構造はほとんどないと思いますが、スポンジ構造だけが保水に役立っているわけではないようです。まさにシールドリーフ。

リドレイの根

仕上がりは↓の通り。ストックしていた遮光率45%の黒ネットがミズゴケの支持にちょうどいい具合です。通気性も確保できるし、水をかければミズゴケが水分を吸ってくれます。床に広げたネットにミズゴケを薄く伸ばしてそこにリドレイをうつ伏せに寝かせ、新しい葉を傷つけないように気をつけてグルっと一気に巻いて。ミズゴケの硬さや見てくれなど、2,3回ぐらい試行錯誤してなんとか納得のいく出来になりました。さいごに有機肥料を茶袋に入れて置いてみました。胞子葉のボリューム感が増したらいいんですけど。

リドレイメンテ終了

今シーズンの貯水葉が伸びはじめています。遮光ネットを覆い尽くして分からなくするほどに大きく展開してもらいたいです。

リドレイメンテ終了

↓おまけ写真。新たに咲いたカトレア。ヒヤシンスの香りがしてかなり気に入っている花。C. Hawaiian Jewel 'Fuji'

C. Hawaiian Jewel 'Fuji'

右側の2輪で咲いている花は C. Hawaiian SnowFlake

Cattleya ’Hawaiian’ series

 

そろそろ師走

湿度保護フレーム内。ビカクシダは、P.wallichiiとP.quadridichotomum、P.ridleyi子株とP.madagascarienseが収納されています。ワリチーとクアドリは低湿度にとても弱い印象です。この2つはフレーム内に置くようにしてからそこそこ調子いい感じです。特に、このワリチーは来春で3回めの成長シーズンを我が家で迎えることになりますが(それがうまくいったとすれば)、3回目の目覚めをいい状態で迎えられるのはこれが初めてです。これまではだいたい、年々ジリ貧になっていって3年目か4年目に落とすというのを繰り返していたので・・・。

マダガスカリエンセは貯水葉が動き始めています。大きく展開してほしいなぁ。 

湿度保護フレーム

カトレアはもっと太陽光が欲しそうな顔色してます。LED照明を投入しているけれども何かが足りない気が。今年はカトレアとビカクシダを一緒のフレームに収納していていますが、ビカクをメインにしている都合上どうしても太陽の強光線を当てたくない。やっぱりカトレアは分けたほうが良いのだろうか。でもスペースの問題もあるし。悩ましいです。

カトレアにとっては厳しい条件ながら、Cattleya Hawaiian Snowflakeがきれいに咲いてくれました。  

Cattleya Hawaiian Snowflake

植え替え後2年目の花になります。昨年よりはすこしゆったりと咲いたかと思います。でもバルブがいまいち小さくて。来年はエロ心を出してちょっと肥培してみようかな。・・・そうすると根を痛めて失敗してしまったりするんですよねぇ。  

先週末に横浜三溪園の菊花展にでかけてきました。菊はとても好きな花です。庭があったら菊もやりたいな〜。 

三渓園菊花展

 

取り込み2016秋

先週末の休日、10月15-16日にとりこみました。以前は”体育の日(10月10日祝日)”に取り込むようにしていたことがありますが、最近は天気予報の1週間予報で最低気温15度C以下となる日が増えてくるようなら取り込むようにしています。今年はなんだかやけに早いかなあ、と思いましたが、暖冬の年(?)に11月上旬に取り込んでいたことがあって、どうもそのときの印象が強く記憶に残っているだけのようです。

(2015)10/17 取り込みはじめ
(2014)10/中 怪しい光の季節
(2013)10月中旬ごろ
(2012)11/上 植物箱2012
(2011)11/07 密着生活
(2010)11/07 ビカクタワー2010
(2009)10/下 できた。。。けど

SDIM6576 - Platycerium ridleyi

SDIM6592

↓水やりするにの外に出したホルタミー。なんだかホルタミーの周辺だけスケール感がおかしい笑 本気出してきたホルタミー、こわいw とかいいつつ、しっかり有機肥料を貯水葉の裏側に投入したりしています(大きくなれよ〜。)背後のワイヤーネットは600X450mmです。おそらく外で水やりするのは今シーズンはこれが最後。これからは室内においたままの水やりです。

SDIM6563 - Platycerium holttumii

↓べっぴんさんのコロナリウム。今年は胞子葉が長くなるかと予想していましたが、結局はそれほど長くはならず。こういう長さの個体なんだろうか? もうちょい長く伸びてくれるとちょうど好みになるんだけれども。
色づいた旧シーズンの胞子葉がとてもきれいです。

SDIM6582 - Platycerium coronarium

まだ外に出しっぱのものも。ホーンズサプライスにカイガラムシ(白くて細長いタイプ)が大量発生していて取り込むのを躊躇していましたが、この後薬剤掛けて取り込みました。このカイガラムシ、カトレアから伝染ったものなんですよねぇ。しかもこのカイガラムシ、しつこいやつ。はぁ、憂鬱。
ビフルカツムはまだ部屋の中の居場所が定まっていないので、もうしばらく外にいてもらおうかなと思っています。シンニンギア・エウモルファは水を減らしていって、断水屋外越冬の予定。ディッキアもこのあと取り込んだし、そうすると残るはハイビスカスと南米着生ツツジ。プルメリアはすでに取り込んでいますが、葉っぱ落として休眠してくれないので悩んでいます。プルの葉が落ちてくれれば場所空くんですけどねぇ・・・。

SDIM6600

↓さぼさぼ。スーパー兜。スーパー兜がここ数年気になっていて、でも難しそうで手を出していなかったんですが、先日大阪のWILDWOODに行った際に山城愛仙園にも立ち寄り、ついに買ってきてしまいました。昨年のリトープスは、二重脱皮がこわくて水を少なめにしたら球が小さくなってしまい、梅雨明け後も午前中の直射光に当てていたら8月中旬ごろに潰れました・・・。リト再挑戦もやっぱり気になったんですが、まだ知らぬ植物をということで今年はこやつに挑戦することに。根を暖めると良いらしいので、鉢の下にパネルヒーターを敷いています。さてどうなりますか・・・。

SDIM6595

 

しわ系ビカクシダ

Platycerium madagascariense 2枚目の貯水葉が完成し、3枚目の貯水葉が動き出しています。次第に溝が深くなってきていますが、まだまだお子様で、六角形のハニカム構造は曖昧です。ハニカム構造といえば個人的によく想い出すのは、パイオニアのHiFi-CDプレーヤーのハニカムシャーシ。ハニカム構造が微細な振動を制振するから高品位な音質を実現する、とか謳っていたカタログ冊子が超懐かしいです。そのCDプレーヤーはたいへんお高いものでしたので、指をくわえてずっとカタログを眺めていることしかできなかったその頃は実は私の思春期だったのですが、揺れる精神とハニカム構造にはせる想いが混ぜこぜになって、今ではすっかりハニカム構造はフェティシズムに等価となっています。なので「マダガスカリエンセはエロい」

さて、ハニカム構造といえばよく「軽い」「丈夫」といわれますが、マダの場合、貯水葉が軽くて丈夫であることにどんなメリットがあるんでしょうか。・・・まったく分かりません。そこでハニカム構造についてちょっとネットで調べてみたら、他にも「断熱性」「表面積」といったキーワードが見つかり、これはなんだか関連しそうだなと気になっています。アリと共生しているという噂もよく聞きますが、アリにとってみれば「断熱性」「表面積」があったら快適な住空間になりそうですよね。ビカクシダにとってみても、根や茎の局所的な環境が安定していて穏やかだったり、酸素やら養分やらを広い表面積でかせぐことができるかもしれないですし。ではその両方をあれこれと考えあわせてみると・・・、やっぱりよく分かりませんが、なにか特殊な生育環境なんだろうな、という雰囲気は伝わってきます。そういったどこかミステリアスな要素が多くの人を惹きつけるんでしょうね、このビカクシダ。

SDIM6140 Platycerium madagascariense

植え込み材のペレポストは乾かしたらダメな素材。うちでは表面が乾きやすいので、毎朝マダの健康チェックを兼ねてペレポスト表面に霧吹きしています。そのほかに3日に一度ぐらいジョウロで全体に水をかけます。ベストの水分量は、しっとりとおしぼり程度がベストらしいのですが、それにくらべるとうちではすこし水分量が多い状態かもしれません。

溝に溜まった水は、カメラ用品のブロワーで吹き飛ばしています。水が溜まったままの部分から腐れ始めてしまいそうに思えて気になってストレスになるし、なんといっても、水垢が残ってしまうとちょっといやなので。

SDIM6139 Platycerium madagascariense

どこから入ってくるのか、毎朝キノコバエを1,2匹発見します。吹き飛ばすなり仕留めるなりして地道に対処しているのですが、なかなか消えません。ほんとしつこい。ワラジーはいまのところ未発見です。ペレポスト植えのシンビにはワラジーが居ないので、もしかしらたワラジーはペレポスト環境があまり好きではないのかな?と思っていますが、どうなんでしょう〜。

以前育てていた株の写真。 3年ほど経って急激に調子崩してきたな〜、と思っていたら貯水葉の後ろにびっしりカイガラムシが付いていて、でも引っ越しして環境が新しくなったりなんだりドタバタしているうちに、メンテセずにいたらダメになってしまいました。という、いい訳です。

蟻ビカクといえば、俺ビをはじめた頃に「リドレイもアリ植物らしい」っていう噂を聞くことがありました。蟻がいないと長い間維持することはできない、ともどこかで誰かから聞いたことがあります。ですがそれはロマンある噂でしかない、とずっと納得せずにいたのですが、2,3年前に昆虫学者による研究を見つけて「あぁ、リドレイはほんとにアリとの共生関係があったんだ」とやっと納得できたのです。ご興味のある方は ↓ にアクセスしてみることをおすすめします。きらめく甲虫で著名な丸山宗利氏のお名前もちらり。
  • A new genus and species of myrmecophilousaphodiine beetle (Coleoptera, Scarabaeidae) inhabiting the myrmecophytic epiphyte Platycerium sp. (Polypodiaceae) in the Bornean rainforest canopy, Munetoshi Maruyama, ZooKeys 34: 49–54 (2010) 
  • Anti-herbivore effects of an ant species, Crematogaster difformis, inhabiting myrmecophytic epiphytes in the canopy of a tropical lowland rainforest in Borneo, Hiroshi O. Tanaka, Yoko Inui, Takao Itioka, Ecol Res (2009) 24: 1393–1397 
  • Ants inhabiting myrmecophytic ferns regulate the distribution of lianas on emergent trees in a Bornean tropical rainforest, Hiroshi O. Tanaka and Takao Itioka, Biology Letters 2011 Oct 23;7(5):706-9. PDF 
  • Within-tree distribution of nest sites and foraging areas of ants on canopy trees in a tropical rainforest in Borneo, Hiroshi O. Tanaka Æ Seiki Yamane, Takao Itioka,  Population Ecology January 2010, Volume 52, Issue 1, pp 147-157

でも、栽培下でならアリが居なくてもリドレイは何の問題もなく育ちますから、どちらかというと弱い共生関係なんだと思います。リドレイの貯水葉はなんなんでしょうね。トンネルは放射状に2分岐しながら伸びているので、マダのように途中でトンネルが交差することもないので蟻にとって特に優しい訳でもなさそうですし(だいたいトンネルに沿って生活するなんていうお行儀のいい蟻はきっといない)。表面積はかせげそうですが・・・。この浮き上がった葉脈の後ろから実は蜜が分泌されている!!とかいうんであればすごく面白いんですけどねぇ〜。エレファントティス、コロナリウム、ホルタミーでは貯水葉に草露が付くことを確認しています。そして草露が甘いことも確認済みです。リドレイの草露はまだ確認したことないんですが、貯水葉の表面ではなく、実は後ろ側に発露していたりして。あとで確認してみよう。

Platycerium ridleyi #2 wide leaf form 朝日にかがやく葉脈。 

SDIM6150 Platycerium ridleyi

2枚目の貯水葉が展開中。

SDIM6152 Platycerium ridleyi

SDIM6147 Platycerium ridleyi

もう一枚(3枚目)貯水葉が出てくれるといいなぁ。

 

Platycerium holttumii

Platycerium holttumii Joncheere & Hennipman

 -- Brit. Fern Gaz. 10: 116, f. 1-3, t. 12. 1970.

ビカクシダ四天王(←勝手に命名)のひとつ。(相当歪んだ形になりますが)あえて言うなら北のグランデ、東のワンダエ、南のスーパーバム、そして、西のホルタミー(かなり苦しい)。ならホルタミーはビカクシダ界を守護する広目天か!(さすがにそれはちょっと)。カッコ書きが多くてスミマセン。畳2枚サイズ、と私はかつてよく言い表わしていましたが、ネットや植物園でよく育った株をみると、すでに”貫禄”を通り越して”畏怖”の念すら抱くような、そういったスケールのビカクシダです。ある意味、守護神としての例えもふさわしいといえるのではないでしょうか(笑)。

各種書籍によると、本種はカンボジア、ラオス、タイやマレー半島の出身。東のフィリピンにはグランデが。西のミャンマー(ビルマ)、インド方面にはワーリッキー、その中間の地域ということで、たしかに造形もそれらの中間のような形をしているように見えます。Roy Vail氏の Platycerium Hobbyist's Handbookなど、「Platycerium wandae と見分けることは困難で、唯一、貯水葉の付け根の部分の”フリル”の形で見分けることができる。」と述べられることが多いですが、私は P. wandaeとは見た目がもう決定的に違っていると感じています。ただし、”決定的”とはいうもののそれを言葉として表現するには少々難しい。この辺をイラストで分かりやすく示しているのは E.Hennipma, M.C.Rootsによる A monograph of the fern genus Platycerium(Polypodiaceae)、20頁の図2で、それにイラストレートされている通り、この2種は”遠目から”でも区別できると思うんです。いまブームのディープラーニングなど施せばホルタミー識別アプリとか作れちゃうと思うのです。

閑話休題。以前からホルタミーは水を控え気味にと言っていますが、今のシーズンは水やりはほぼ1週間に一度。ミズゴケが乾いて白っぽくなったな〜、となる約1週間の周期です。普段は室内で管理していますが、潅水の時だけはベランダに出して、ジョウロで上からざぶざぶ水やりしています。いったん水を掛けて5分ほど経ったらまたざぶざぶと。ミズゴケに十分水が染みわたり、ジョウロ水かけやめてもしばらくは水がしたたり落ちるぐらいみずを掛けます。それから3,40分放置して水が切れたらまた室内に収納です。日照を好むとのことですが、うちでは直射光が当たるのはAM7時前後に1時間弱ほど。たしかに日照は弱めらしく、貯水葉の裂片の上端は少々だらしなげに伸びています。ホルタミーの貯水葉は斜め上70度方向にシャキーンッと直線状に伸びるのが一番かっこいいと思います!

SDIM5958 Platycerium holttumii

↓今年は2枚目の貯水葉が伸びてきていて、いっきに巨大化の流れ。貯水葉には厚みもあって、縁はくるんとカールしています。ぐんぐん伸びるぞ、という勢いがみなぎっていますね。惚れ惚れするような萌え具合。

SDIM5938 Platycerium holttumii

↓根からの吸水が勢いあまってか、草つゆが出ています。室内で横から送風しているにもかかわらずに草露がつくなんて、よっぽどだと思います。ちなみにこの露、なめてみるとほんのり甘いです(薬剤使っている場合は注意してくださいね)。それと、貯水葉の付け根付近に上下方向それぞれから小さな円盤状のでっぱりが伸びできているのが分かるでしょうか。この部分がワンダエとの区別ポイントになるとのこと。ホルタミーはこの小さな半円状の部分が切れ込みが入らないまま伸長してきます。結果、ひらひらとフリルのような形状になる、と。写真に写っている、向こう側の貯水葉の付け根部分がちょっとフリフリしていますよね。ワンダエでは、このフリルに細かな切れ込みが入ってて、モシャモシャモジャモジャした様子になるようです。

SDIM5942 Platycerium holttumii

↓去年の貯水葉のフリフリが挟まれているのが見えます。 切れ込みがないから”フリフリ”。それにしても、昨年育った貯水葉は余裕の緑状態です。まる2年ぐらいの寿命がありそうです。

SDIM5941 Platycerium holttumii

↓貯水葉の葉脈。フラクタルのような六角形様のネットワーク模様は、ホルタミーやワーリッキーの特徴のように思います。ワンダエではもっと崩れた形をしているように思います。崩れた、というよりも、この六角形様形状の幅が狭いように思えるんです。もしかしたら崩れたうえに幅が狭い。ホルタミーではその幅が広めなので、それが爬虫類の皮膚感を彷彿とさせ、動物にも似た生々しい感覚を特別に呼び起こすような、そんな気がしています。

SDIM5940 Platycerium holttumii

↓こんなスケール感。先端部分の明るい緑色をした部分はこれからまだまだ成長して伸びます。

SDIM5945 Platycerium holttumii

↓緑!! トキワビカクシダ、というか生命力あふれるこの緑色でピャッとした姿も巨大種ならではの醍醐味です。

左右の貯水葉の広がりは縦横100cmx100cmほど。同じく左右の胞子葉の広がりは縦横70cmx70cmほど。これで大人サイズの半分ぐらい(面積でいうと4分の1)でしょうか。今ぐらいの大きさでおさまってくれると調度良いのですが・・・。いちおう心の準備はできています。

SDIM5928 Platycerium holttumii

 

プルメリア:Black Ruby 比較

JL Black Ruby 執念のお迎え完。「ぜってーだ、ぜってぇ今シーズン中にゲットだかんな!」と心に誓い2ヶ月が経ったころ、よいご縁に巡りあうことができました。ときにフットワーク命。

樹勢は弱いそうで、とてもチャレンジングな一品。熟成した赤ワインのような深みのある赤い花には静かな情熱のようなものがあり、そこからは樹勢の弱さなんてすこしも感じとれません。でも調べたところによると、赤系のプルは、挿し木で根がなかなか出ないといったような、性質にくせのあるものが多いのだとか。やる気が出てきますね〜。しっとりと落ち着いた大人の雰囲気の花、なんとしてでも咲かせて見てみたいものです。

SDIM5973 JL Black Ruby

入手から半月ほど経ち、新たな葉が3、4枚増えました。成長の様子は、このまま動き続けるのか止まってしまうのかハラハラするような微妙な勢い。色素は薄く、枝は細く、新芽付近には白い微毛が生えていて。なんとなく、末成り(うらなり)のようなか弱さを感じます。

SDIM5897 JL Black Ruby

この様子だと用土の過湿にも弱いのではないかと思い、他のプルに比べると若干乾かし気味の管理です。一旦根腐れするとなかなか回復しなさそう。水が枯れてくると枝にシワがよりますが、潅水すると枝はふたたび太り元に戻ります。どうやら根っこはたしかに生きていていて水を吸い上げている模様。けど、決して必要以上には水分を吸い上げない、ぽい・・・。

花が咲いたあとに2又になったみたいです。葉っぱの付いていた跡の間隔が狭いですよね。微妙な間隔の変化から、前回の開花から何年経っているかがわかります。たぶん5,6年は経っていそう。それでもこの大きさ。先端の葉が付いている部分なんて、小指の先よりも細いぐらいしかありません。とても育て甲斐があるけれど、枯れるのコワイ。接ぎ木したら勢いが増すのでしょうか。将来的には接木してバックアップをつくりたいです。

あ、それと、枝についている地衣類がいい感じです。地衣類にもぜひ成長してもらいたいなあ。

SDIM5978 JL Black Ruby

↓ Black Ruby(aka.Black Tiger)とJL Black Rubyの比較。全然違います笑

SDIM5981 Black Tiger & JL Black Ruby

Black Ruby(aka. Black Tiger)の茎は頑強そうです。接木されたもの、というのも大きく影響しているかもしれません。茎は柔らかくぷにぷにします。水がかれるとシワが寄るけど水やると元に戻る、とかもう多肉植物カテゴリでもおかしくありません。。

SDIM5912 Black Tiger

そろそろ花は終わりそう。三又に分かれる予定の芽がなかなか本格的に動きはじめないので、蕾はもう除去してしまいました。花が終わったら芽の方にパワーをまわしてほしいです。

SDIM5888 Plumeria x rubra 'Black Tiger'

今年迎えたプルは:

1.挿 木 Plumeria x rubra 'Amaron's Curly White'(Google画像
2.済接木 Plumeria x rubra 'Black Tiger'         (Google画像
3.済挿木 Plumeria x rubra 'Celadine'            (Google画像
4.挿 木 Plumeria x rubra 'Cindy Morange'       (Google画像)#枯れ
5.挿 木 Plumeria x rubra 'Leela'               (Google画像
6.挿 木 Plumeria x rubra 'Moragne Rainbow'     (Google画像
7.挿 木 Plumeria x rubra 'Moragne #23'         (Google画像
8.済挿木 Plumeria x rubra 'Penang Peach'        (Google画像
9.済挿木 Plumeria x rubra 'JL Black Ruby'       (Google画像

このうち、5はそろそろ発根、1,6は発根済。4,7は発根失敗→切り戻し→カルス発生待ち。

↓左:Moragne Rainbow、中:Amaron's curly white、右端:Black Tiger、中下棍棒:Leela

SDIM5961 Plumeria

↓発根失敗の Moragne#23(長いほう)、Cindy Moragne(短いほう)

購入して挿し木後1ヶ月経ったところで一旦チェック入れたら、切り口が腐っていました。腐った部分をカットして2,3日水を吸わせてそれから切り口を自然乾燥。ところが、Cindy Moragneは水を吸わせる時間が足りなかったためか、自然乾燥中に切り口がしゅわしゅわにしなびてしまい失敗。育ち始めていた葉からの水分蒸散で枝の中の水分が足りなくなってしまったのが原因だと思われました。ということで、Cindy Moragne2回めの切り戻し→2,3日水吸わせ→育ち始めていた葉をカット→切り口封印。

SDIM5997 Moragne #23, Cindy Moragne

↓Cindy Moragneの切り口封印。

ふつうは自然乾燥させるのですが、またしなびたら嫌だなと思い、切り口にアロンアルファを塗り封印しました。アロンアルファ封印は個人的にしばしば行うことがあります。職場のパキラも、背が伸びすぎてカットしたときには切り口にアロンアルファ塗ってますし。でもこれまでは”上端の”切り口から水分が蒸散したり雑菌が入ることを防ぐためにしか使ったことがありませんでした。今回は”下端の”切り口を保護するためですから、ちょっと作用が異なるかもしれません。

アロンアルファって水素結合で固まってるとかなんとかで、水分がないと接着悪いんですよね?たしか。擬似的に切り口が乾燥している効果が得られているのではないかと考えていて、なんとなくうまく行きそうに思っていますが、プルメリアの場合、こういった封印をしてはたしてカルスが形成されるかどうかは不明です。今回はテストです。結果は10日後ぐらいにわかるかもですね。これがうまくいったらけっこう画期的な気が。ふふふ。

SDIM5960 Cindy Moragne

↓こんな感じで吊ってあります。長いほうの Moragne#23 は自然乾燥がうまくいって、切り口が盛り上がりヒビが入ってきました。カットしてから10日経ちましたかねぇ。なんとかあと2ヶ月ぐらいで葉っぱを5枚は展開してほしいですが。(ムリかな?)

SDIM5995 two Moragnes

 

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