温室に行ったときなど,壁や樹の幹から 二又に幾度も分岐した葉を垂れ下げる風変わりな植物を見かけたことはありませんか?光の差し込み具合によって微妙に銀白色に光るその姿には,だれもがエキゾチックな感動を覚えたはずです.これがビカクシダ.着生シダの一種です. [なぜビカクシダと呼ばれているの?] |
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ちなみに植物学的な分類は: |
注*1 原色牧野植物大図鑑を参照. |
[ビカクシダの体のしくみは?] |
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[ビカクシダの故郷と生活場所] |
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多くのビカクシダ原生地にははっきりとした乾季と雨季があります.
一般的に乾季の特徴は「雨量の減少と気温の上昇」,雨季の特徴は「雨量の増加と気温の低下(といっても暑いことに変わりはありませんが)」です.
地域によってもかなり変わるので一概に説明するのは難しいのですが,
乾季では数十日間も雨が降らず,気温は40度Cにまで上昇する日が続き,
一方雨季には,日に幾度となくスコール(日本の"激しい夕立ち"のさらに数倍程度の規模)がくるような日が続くのです.
このような極端で厳しい環境で生き残るためにビカクシダは上記のような特徴のある体へと進化したと考えられています.
すなわち,雨季に盛んに胞子葉を伸ばして子孫を残すための準備をし,また貯水葉を伸ばして養分や水分を体に蓄え乾季に備えるのです. |