オーストラリア東部の限られた地域に分布するビカクシダです.自生地は開けた乾燥森林で,オアシスのような水辺の岩などに着生しています.P.veitchiiの特徴は,なんといってもその白さ.この白さは全身をおおうように密生する星状毛によるものです.姿形のほうを見てみると,こんどは剣のように鋭い切れ込みを持つ貯水葉と上に向ってまっすぐに伸びる胞子葉が印象的です.貯水葉は上端が何箇所も細く深く切れ込み,群生株ではまるで剣山のようになります.胞子葉も細く,1〜2回ほど2分岐して太陽の方に向って真っ直ぐに立ちあがります. 星状毛によって日光を反射し体温上昇と水分蒸散を防ぎ,葉を細くし太陽光線と並行に葉をのばすことで日光が当たる面積を小さくして体温の上昇と水分の蒸散を防ぐ.さらに本種は不定芽で子株を盛んに出して繁殖しますが,群生株では根元が貯水葉できっちりと固められて根元から水分が失われることも防いでいます.このように全ての器官を徹底的に乾燥した気候に適応させて過酷な環境の中でも生きぬこうとする姿には生命の力強さを感じずにはいられません. ビーチーは鑑賞価値も高く,またサイズも比較的小型なので勧めの品種なのですが,本来のキリッとしまった姿を実現するには恵まれた日照が絶対に必要となります.都市部,市街地の住宅環境でこの条件をクリアするのは意外に難しいものです. 全身を白く覆う星状毛のために,海外ではよく“Silver Staghorm”と呼ばれています.
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強力な光線と風通しが必要ということで,うちのベランダでは特等席にぶら下がっています.ただ,販売されていたときは日陰な環境だったのがいきなり直射日光があたるようになって葉焼けしないかちょっと心配なのですが...まぁ毛がたくさん付いているし,風は一日中あるし大丈夫かな. |
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