アイスホッケー事始め!:まずはスケートでしょ
お箸の国の人ならば
私達人間は2本の足で歩きます。そして日本人ならお箸を使ってご飯を食べ
ますよね(きっと)。ですが、
「右足を上げたら前に出して下ろす。よし、次は重心を少し前に移動して」
「んー? 中指と人さし指で箸をはさんで...」
なんて気にすることはないでしょう。ではどうして足を動かすことを気にせず
に歩いたり、お箸でごはんを食べたりすることができるのでしょうか。
答えは単純明解。そうすることに慣れているからです。この”慣れ”は私達の
生活の中に山ほど存在するのです。
そしてこのことはスケートにも当てはめることができます。要するにスケート
に慣れれば良いということです。「友人とスケートに行ったけど全然滑べれな
かった」といって気にすることは何もないし、ホッケーで滑べっている人に冷
やかされておじけづいたりすることもないのです。慣れていないのならスケー
トが滑べれないのは当たり前なのですから。
スケートで歩く
では、いよいよスケート(全く初めての人はフィギュアをお勧めします)を
はいて氷の上に繰り出しましょう。まずは氷の上で歩くことができましたか?
どんんなふうに歩くかは構いません。とにかくゆっくりでもしっかりと確実に
前に進むことができればOKです。これは初心者の人にとっては最初の難関でしょ
う。
歩くことができてちょっと余裕という人は、まだ歩けない様子の人をこっそ
り観察してみましょう。歩けない人みんなに共通することが分かりましたか?
そう、まさに「足が棒」になっているのです。まだ歩けない人は、少し歩ける
ようになった人の足を見てみましょう。少しひざが曲がっていることに気が付
きましたか?
「足が硬い」ことは前に進むことができないとともに生命にも関わる危険性
をも含んでいます。転んだ時に頭を打ってしまいやすいということです。足が
棒になっていると、重心が体の後ろにかかりやすくなるためです。
また、足が不用意に滑べってしまった際にどういう行動をとるかということを
考えてみて下さい。足が棒だと、滑べった分を補うために体全体を使ってしま
います。体が後ろに反りバランスを崩した結果、転んでしまうのです。これと
は反対にひざを曲げていれば、この滑べった分を足を伸ばすこによって補うこ
とができます。
初心者に多く見られる、「足が棒」ということと「尻もちをつく」ということ
の相互関係を少し理解してもらえたでしょうか。
歩けない人は、フェンスを頼りにしてもいいから少しひざを曲げて見て下さ
い。足の屈伸をするのもいいかもしれません。ひざを曲げることに最初は違和
感があってもだんだん慣れてくるはずです。むしろその方が楽だということに
気がつくでしょう。
もう一つ「重心を低くする」という「ひざを曲げる」ことと密接な関係にあ
る重要な要素があります。
結局、重心を低くしなければひざは曲がらないのです。すでにひざの曲がって
いる人は無意識にこれを行なっていることになります。が、まだまだ重心を落
せるはずです。「ここまで落さなくてもいいんでないの」というくらいまで。
これはまた後に述べるブレーキの際には、特に重要になります。
それと最後になってしまいましたが、「下を見ない(ルックアップ)」こと
も大切です。スケートに慣れないうちはなかなかできないのですが、歩くこと
をマスターする段階からくせをつけておいた方がよいでしょう。実際にパック
を持つとさらに下を向いてしまうことになりますから。
まとめ
「ひざを曲げる」、「重心を低く」、「ルックアップ」という3つの点は、
ホッケースケーティングにおいて基本となるものです。今の段階でマスターす
る必要はありませんが常に意識することは大切です。
ポイント
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おまけでちょっと昔のはなし
僕が初めてスケートを体験したのは、小学校1年の時です。
当時は冬といえば雪の量も多く、川には太いつららができたものでした。
この季節、僕の母校長井小学校では(栃木県矢板市長井出身です)水田を
借りて、用水路から水を引きスケート場を作っていました。冬の間は体育
がスケートになりこの手作りスケート場でしっかり練習をして、日光で開
催される毎年恒例のスケート大会に備えるのでした。
1年生はほとんどが学校の上履きをはいて氷の上を滑べるのですが、こ
れがまたスケートとは違った意味で難しい! なにしろ上履きには氷を蹴
るところがないわけですから。
最近は冬になっても分厚い氷が張りにくく、手作りスケート上で練習す
る小学生の姿は全く見られなくなりました。でもアーデルでのスケート大
会は毎年開催されているようです。
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