西武鉄道(5)―(2)新王子製紙


観戦後メモ

もしかして今日で日本リーグ終ってしまうの?
個人的には西武を応援するつもりでいましたが、西武が勝ってしまうと 「今シーズンも終ってしまったか」みたいでなんだか複雑な気持ちです。

長蛇のお客さんの列の中で、王子選手たちがサッカーでウォーミングア ップ開始です。川平が「あっ」というような表情をしたと思ったら、途 中から高木も参加。道路に向かっていってしまったボールをさらに高木 が道路に向けてキックしたり、と何だか楽しそうな雰囲気です。

アリーナ内の立ち見はフェンスの後ろに4、5列ほどになるような超満 員。試合前練習はというと、プレーオフ連敗のためか王子にはあまり覇 気が感じられません。一方、西武の方はというと、いつも通りのいい感 じです。

1ピリ、フェイスオフ直後から西武の速攻が始まりました。駿足のカバ ヤマと小林がゴール前に攻め込み、カバヤマが先制ゴール。アリーナで は小林の得点となっていましたが、ニュースステーションではカバヤマ の得点となっていました。僕もゴールの後ろの席で観戦していたのです が、これはカバヤマの得点です。なんとこの間わずか19秒!あっとい う間の得点でした。この後も西武の押せ押せの試合展開で、2点3点と 次々に西武が得点をゲットします。特にブライトの3点目の得点シーン には感動しました。キーパーとの1対1だったのですが、ブライトはス ネーキングでゴール正面から攻め得点したのです。この手の落ち着きの あるパックのキープ力と、シュートというのは、各チームの外国人選手 に共通して見られる特徴ですね(と思います)。

またこのブライトの得点でも分かるように、王子DFには「おい早く戻れ ー!」という場面が多々ありました。さらに全体的な動きが西武に比べ 遅く、なかなか自分たちのペースに持ち込めないようでした。ホッケー というものは(サッカーとかにも当てはまると思いますが)先制するか どうかがゲームの結果に大きく影響する場合が多いので、3ー0に持ち 込まれたことがノリの悪さに通じているのは確実でした。

中盤から西武は、DFカバヤマ,フジタ,DFダイカワ,上野(弟),ブライト の強力セットを組み、一気に得点差を広げようとします。これには王子 DFもまともなチェックを決められず、多くのシュートを許してしまいま した。1ピリの3得点、多くの西武シュート場面は、王子DFが戻ってい ないという状況から派生したものが多かったようです。

2ピリ、1ピリに引続き王子は幾度かのシュート体勢を西武のチェック で崩されてしまいます。それに王子のシュート数は少なくなかったのですが、 イモオ@西武が全てガードしてしまいます。それだけにイモオの動きの 良さも目立ちました。あの身軽な動きです。

何度も続いた西武ゴール前接戦で、ようやく百井@王子がゴールを決めると、 王子は「一気に同点に追い付け」というようなものすごい速さで西武を 押し始めます。そして30秒後にまたもや王子のゲット。しかし「ようや く王子も波に乗ってきたか」という雰囲気の中もう一点がなかなか決ま りません。

結局、2ピリ後半は再び西武が落ち着きを取り戻し、王子に得点を許す ことはありませんでした。王子の勢力は元に戻ってしまいました。

1,2ピリを通して両チームのDFを比較すると、ゴール前で"いい仕事" をしているのはやはり西武ですね。見ていて「あ、ゴールを守ってるん だな」というのが誰にでも分かるようなものでしたから。王子はゴール 前にDFがいなかったり、一人の西武FWを止めている間に他のFWにシュート を打たれてしまったり、ミスが多くありました。それと、西武FWの早くてし つこいフォアチェックに王子DFが焦っていたような感じもしました。

3ピリ。ブライトが西武4点目を得点。事実上のダメ押し得点となりま した。これを境に王子のパックの扱いが非常に雑になり、パスのレシー ブもままなりません。DFもパックを空振りしたり、とパックに対する 集中力が完全に欠けていました。

おまけに残り3分頃には、ディフェンディングゾーンにメンバーが揃っ ているにもかかわらず、西武の攻めに食い込まず、西武FWとキーパーの 1対1にしてしまうというような、王子の「あきらめ」とも受けと れる場面があり、一緒に観戦していた王子ファンのチーム仲間とプンプ ン怒ってしまいました。「なんだよーそれー」って。

試合中の王子パワープレーでは、アタッキングゾーンにおいての型がよく決まっ ており外国人選手や鈴木(だったかな?)のパックのキープ力、ディフェン スからのパス回しも目立って決まっていたのですが、やはりイモオはな かなか突破できませんでした。王子得点ならずはイモオの守備力が大き く関わっていました。何度かのパワプレーでも得点をあげることができ ず。これがスポーツニュースで「王子は決定力不足」と言われているん ですよね。

西武ちょっと余裕の試合終了5秒前。ベンチの選手達はゴリラのウホウホ ポーズ(!?)みたいな格好で、観客席からのカウントダウンに合わせて 飛び跳ね始めています。

優勝が決まった瞬間、フェンスの外からは色とりどりの紙テープが投げ こまれ、西武の選手達はスティック、ヘルメット、グローブを高く投げ あげて一斉にリンクの中に飛び出ていきました。

新王子はガックリと目線を氷に落とし、あっけなく終わってしまったプ レーオフを悔やんでいるようす。僕も(みんなも?)シーズン終了がとって も悲しい。

表彰に移り、最優秀選手賞がカバヤマの手に。観客席からは再び歓声が。 確かに、カバヤマは多くのゴールシーンに関わり、特に今日の西武最強 セットではDFもしてしまうなど、西武の中でも、非常に重要な存在となって いるのは明らかでした。

これで、第30回日本アイスホッケーリーグは終了です。 選手の皆さん、今年のJIHLを"とても熱いシーズン"にしてくれてありがとう。 来シーズンがもっと熱くなることを期待しています。

アイスホッケーファンにとっては半年間の長くて退屈な季節がやってき てしまいました。それではこの辺で、観戦レポートは長い休眠に入ります。


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