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アイスホッケー日本リーグ18日開幕
古河先手必勝で4位以内
アイスホッケーの第31回日本リーグは18日、東京・東伏見アイスアリーナほかで開幕する。今シーズンは1シーズン制(6チーム・各30試合)を行い、上位4チームによるプレーオフを実施する方式で、4位まで優勝のチャンスがある。昨季、万年最下位から日本リーグ4位に躍進した地元・古河電工はプレーオフ進出、昨シーズン以上の成績を目指している。前回リーグで15季ぶりの優勝を果たした西武鉄道は、カバヤマ、フジタら日系外国人選手が今年も健在。同2位の王子製紙が監督交代で3季ぶりの王座をうかがえば、日本代表の主力に成長した小友、八幡の強力FWを要するコクドも返り咲きを狙う。監督を置かずカナダ人ヘッドコーチが指揮をとる日本製紙はダークホース的存在。雪印は最下位返上に燃えている。今季の日本リーグは最後まで目が離せないし烈な戦いが繰り広げられそうだ。開幕を前に、今季古河の戦力分析と池田正幸監督に目標などを聞いた。
村上、両外国人の活躍期待
今季は例年にも増して地元・古河電工の活躍が期待されている。昨季、年間過去最多白星14勝(これまでの最高は第19回大会の6勝)をマーク。1974年に現行6チーム制となって以来、初の4位を勝ち取った。
チェコからの助っ人で大躍進の立役者となったラディック・ガルドン(CF)、マイケル・マードル(LD)そして看板プレーヤーの村上裕幸(CF)は「プレーオフに進出して勝つ」と、闘志をみなぎらせる。
古河の布陣はほぼ昨シーズンと同じ。村上を軸とした第1セット、両外国人が引っ張る第2セットといった具合に、チーム編成を大幅に変えるような補強は行われなかった。他チームはかなりの戦力強化を図っているだけに、今季の古河は個々人がどれだけレベルアップしたかにかかる。
日本リーグ3年目ながら、今やチームの顔となった村上。昨季はアシスト部門で28ポイントを上げ7位に。チャンスメーカーとしての活躍が光った。「まず計算できる選手が、相応の仕事をすること」(村上)。エースには毎試合ポイントを挙げる活躍がほしい。
古河初のベスト6に選ばれたガルドンはどうか。徹底マークから反則覚悟のハードチェックにあうのは確実だが、「これまでの経験を活かし、先を読んだ
プレーで対応する」(ガルドン)。ゴールゲットはもちろん、ゲームメーカーとして昨季以上の力を発揮してくれるか。
ガルドンとセットを組む今章弘(LW)、入江孝明(RW)もキーマン。ガルドンにマークが集中することで、逆に両選手のチャンスが広がる。3選手の連携がうまくかみ合えば、ゴールゲットの確率は確実に上がる。特に若手の今には昨年12月、対日本製紙戦で記録したハットトリックの再現を期待したい。
昨季、古河の一試合平均得点は3点を少し上回る程度。今季も恐らくこれに近い数字が想定される。勝利への近道は相手を3点以内に抑えることだ。「また全員で必死に守りぬくことになる。体を張っても...」と長谷川伸樹主将。鼻骨折にもかかわらず、出場し続けたマードルのガッツはチームを変えたか。
18日のコクドに始まり地元日光で対王子2連戦、そして西武と続く。この4戦でとにかく白星を挙げたい。序盤で強豪を倒せば、昨季の勢いがよみがえる。短期決戦の30試合。目標達成には先手必勝のほかに道はない。
LD・マイケル・マードル(DF陣の柱。いぶし銀のプレーが光る)
「日光の皆さんにいいプレーを見せたい。強敵ばかりで苦しい戦いになると思うが、どんな状況でもベストを尽くす」
RD・唐津智昭(今季は副将としてチームを引っ張る)
「各チームのマークが厳しくなると思う。一瞬たりとも気を抜けないだろうが、日光のファンに喜んでもらうためにも最後まで頑張る」
RD・高橋哲之(看板セット3年目。攻撃的なDFが持ち味)
「今季はとにかく守ること。失点を最小限に抑えないと勝てないですから。一つ一つのプレーに全力を尽くす」
古河・池田監督に聞く
「目標はAクラス入り」
−昨シーズンの4位をどう分析し、評価するか。
リーグ開幕当初は、選手の不安を消すことはできなかったが、日光シリーズ初戦(日本製紙戦)で勝ったことで、低迷することへの不安がなくなった。選手たちに自信が生まれたことが、いい結果につながっていったと思う。シーズンを通して、選手は肉体的にも精神的にもたくましくなっていった。
−1シーズン制に変わり影響は。
1シーズン制は、波に乗ればそのまま行ける要素はあるが、逆のケースも考えられる。短期決戦なので、けが人が出たら大きい。うちは選手層が薄いので、けが人が出ると苦しい戦いになるでしょう。
−今シーズンの戦いかたは。
日本製紙と雪印には勝ち越していかなければ、昨年と同じ4位確保はできない。この2チームとどのように戦っていくかが、シーズンの重要なポイントになる。
−今年のキーマンは。
選手一人ひとりが自分の役割を果たすこと。村上、両外国人の活躍は不可欠。後はDF陣がしっかり働いてくれるかどうかでしょう。ゴールキーパーが高齢なので、若手育成も考えなければならない。新人の春名と尾形の両キーパーに期待。特に尾形はポジショニング、パックの見極めなどに成長がみえ、今年いち押しの選手。
ー今シーズンの目標は。
Aクラス入り。今年から4位までがプレーオフに進出できるので、ぜひ4位以上を確保したい。
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土屋 明仁(つちや あきひと)
akihito@j.dendai.ac.jp