Copyright(C) 1996 下野新聞社, All rights reserved.

古河、日光シリーズ連敗

王子の攻撃に手も足も出ず


外を吹き荒れる嵐(あらし)。そのごう音をかき消したのは、残念ながら歓声よりもむしろ悲鳴だった。地元で王子製紙に連敗。「勢いが続かない。きっちり守れないから、いつのまにか相手のペースに巻き込まれてしまう」。古河電工の池田正幸監督が顔をしかめた。

前日と同様に出だしは悪くなかった。試合開始早々、村上裕幸が巧みなスティックワークでパックをキープ。そのままゴール裏に回り込み、絶妙なパスを繰り出す。これを、左サイドに走り込んだ八木啓二がたたき込み先手を取った。

「前のゲームで最後に得点したのはうち。流れは2戦目に必ずつながるはず」(村上)試合前の公約通り自らの個人技によるチャンスメークで、先制ゲットを呼び込む。リンクを揺るがすほどの歓声が沸き起こったが、それも長くは続かなかった。

第1ピリオドも中盤から、王子の攻守の切り替えの速さに、ことごとく反応が遅れた。敵陣へ攻め込むが、執ようなチェックでパックを奪われ、逆に自陣にほうり込まれる。いっきにDFの裏へ走り込まれ、GK・八巻嘉彦も2対1の連続では踏ん張り切れるはずがなかった。

王子の攻撃パターンはほぼこの繰り返しだった。古河は1点返しても2点奪われる。「こっちが得点しても相手は倍の点を入れてくる。反撃する気持ちがなえてしまった」。長谷川伸樹主将の声も、ちぐはぐな攻守に沈みがちだった。

「今期、王子戦のポイントは攻めに行ったときの守り。すばやい切り返しにどう対応するか」(池田監督)。プレーオフ進出、さらにAクラスを目指すために、手も足も出ないような天敵を残していては正直、苦しい。

今期をこの連戦のように、竜頭蛇尾で終わってほしくはない。新生・古河の報復が待たれる。

(久保 正洋)

トップ|ふろむ下野
土屋 明仁(つちや あきひと) ME akihito@j.dendai.ac.jp