延長戦、古河力尽く

地元初勝利は泡と消えた。主導権を握りながら延長で敗れた古河電工・池田正幸監督は「痛い敗戦だった」とポツリ。

この日の試合は古河にとって大きな意味を持っていた。

地元初勝利、初の連勝に加え、４位以内を確保して念願のプレーオフに出場するために、日本製紙は絶対に負けられない相手。今後を占う上で、前半戦の大きなヤマともいえた。

きょうは絶対に落とせない−。両チームの気迫がリンクで火花を散らす。古河は常に先手を取るが、この試合に最下位脱出がかかる日本製紙も譲らず、すぐに追いつく。試合は壮絶を極めた。

第３ピリオド古河はマードルが待望の勝ち越し点を挙げる。しかしその後単純なパスミスが目立ち、どうしても駄目押しの１点が奪えない。逆に追いつかれ、２戦連続で延長戦へ。

終末はあっけなく訪れた。日本製紙・ディックがカウンターから放ったシュートがGK春名真仁のこ間を抜けた。その瞬間、最後まで古河を信じて疑わなかったファンの歓声がため息に変わった。

手にしかけた勝利はあっさりと逃げていった。長谷川伸樹主将は「ホームでも今度こそはと思っていたが...」と悔しさをかみ締める。次は再び日光で雪印との２連戦。プレーオフに進出するための最後の正念場だ。長谷川主将は「絶対負けられない。必ず勝つ」。自分に言い聞かせるように力強くつぶやいた。
（小藤田　圭）

土屋 明仁(つちや あきひと)　 akihito@j.dendai.ac.jp