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古河 お待たせ日光1勝
集中力 最後まで
待ちに待った瞬間が訪れた。たまりにたまったストレスを一挙に爆発させる地元ファンの歓声がごう音となり、リンクに渦巻いた。
古河はよく辛抱した。相手に倍するシュートを放ちながら先制点を許す展開にも、最後まで集中力を保ち続けた。「ディフェンスで我慢できたことが第一の勝因」。池田正幸監督も満足そうにうなずいた。
ピンチをルーキーGK春名真仁を中心に、何度もしのいだ。特に第3ピリオド15分13秒からの3人対5人の相手パワープレー。絶体絶命の危機を、残ったメンバーが体を張って踏ん張り抜いた。このがんばりが「もう決めるしかないと必死だった」と、八木啓二の逆転ゲットを呼び込んだ。
「見方を信じ、そして自分を鼓舞した。絶対ゴールを守りきると」(春名)。同点に追いついた直後だっただけに、ここでもし勝ち越しを許していたら...。緊張の糸は切れ、もはや勝利はなかっただろう。そうなれば今期も終わっていた。これまで古河は一方的にたたかれるゲームは少ないものの、勝負どころのゲームをわずかの差で落としてきた。自信が波に乗り損ねたばかりか、それが特に雪印を走らせる結果になっている。
この日本製紙との地元2連戦。連勝することが最下位脱出はもちろん、わずかに残された4位、プレーオフ進出へ希望をつなぐことにもなる。「残り全試合サドンデス。トーナメントの気構えで戦う」(長谷川伸樹主将)。これからが死中に活を求めるギリギリの戦いだ。
(久保 正洋)
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土屋 明仁(つちや あきひと)
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