国体アイスホッケー成年県予選 第51回冬期国体(日光杉並木国体)アイスホッケー競技会成年県予選会最終 日は9日、日光市の古河電工リンクで古河OB―中禅寺クラブの快勝を行ない、 古河OBが3―0で中禅寺クラブを下し2年連続12度目の優勝を飾った。昨年 と同カードとなった決勝は、古河OBが第2ピリオド9分38秒、岡本、藤田の アシストを得た小池が先制ゲット。個人技に勝る古河OBは、わずか10選手な がら巧みなパスワークで有理に試合を進め、第3ピリオドにも再び小池、渡辺 がシュートを決め快勝した。中禅寺クラブはゲームを組み立てられず一矢を報 えなかった。
【焦点】
県内のAグループ8チームが参加して行なわれた成年県予選は、古河OBの連覇 で幕を閉じた。今回の県予選は例年にない白熱したゲームが繰り広げられた。
県アイスホッケー連盟の役員、そして何より選手の目の色が違っていた。頭に あるのは今年の福島国体だ。初戦で伏兵・京都に2―4の完敗をきし、天皇杯 ポイントゲッターのプライドを傷つけられた。
監督就任が予定されている入江淳夫さんは「京都戦の二の舞いだけはしたくな い。汚名返上に全力投球です」と言い切る。県内チームは今シーズン、例年よ り一カ月早く8月には氷上練習を開始した。青森に遠征したのをはじめ群馬、 千葉ともスティックを交え年末年始も返上で練習する。
地元開催にもかかわらず、成年選抜チームはノーシードとなるが、戦力もある 程度目星がついた。例年、戦力となる日本リーグ・古河電工を”卒業”した数 人を軸に古河OBで1セット、準優勝の中禅寺から1セット、そして走り負けた 京都戦の反省から明治、法政、日大からの大学生セットで臨むことになりそう だ。
この日も古河OBの小池真、藤田、吉田の当確組が活躍、仕上がりの良さをアピー ルした。県連盟の千葉哲夫理事長、成年チームのコーチが予定されている中禅 寺クの岩崎一志監督は「選抜選手は誇りに思って頑張ってもらいたい。雪辱を 果たし最低3位以上が目標」とゲキを飛ばす。
本番の「日光杉並木国体」までの40日余り。県連盟の一体となった強化の開 花に期待したい。(枝村敏夫)
決勝 1 2 3 合計 古河OB 0 1 2 3 中禅寺クラブ 0 0 0 0 得点者 【古河OB】 小池(岡本、藤田)(岡本) 渡辺(吉田、小池)
【評】
わずか10人の古河OBだが、最後まで走り負けることなく、卓越したテクニッ クで中禅寺クラブを零封した。
第1ピリオドは守りに徹し、無得点に終ったが、第2ピリオド9分38秒、岡 本、藤田のダブルアシストから、ゴール前でノーマークになった小池が押し込 み先制した。第3ピリオドは開始早々52秒に小池がゲット。10分32秒に は渡辺がゴール前のリバウンドをたたき駄目押しした。スタミナ切れも感じさ せることなく丁寧なパス回しで中禅寺の攻撃をかわした。
4セットのそろった中禅寺だが、古河OBのテクニックに最後までゴールを割れ なかった。第1ピリオド13分08秒に得たパワープレーもものにできず、第 2ピリオドに先制点を奪われてしまった。走りまくるホッケーは最後まで見ら れなかった。
小池主将が大活躍
会社の行事などが重なり集まりの悪かった古河OBだが3―0と快勝。その中で も小池真は2ゴール1アシストの奮闘、主将としてチームをリードした。
パックのコントロール、パス回しなどでは一日の長がある古河OB。気掛かりは 第3ピリオドからの走り負けだったが、小池主将は「守りを固め一発のチャン スを狙うしかなかった。チーム全員が15分間、忠実なプレーに徹した」と振 り返った。「でも20分あったら、走り負けたかもね」と苦笑いを浮かべた。
日本リーグ古河電工も今季絶好調。小池は4年前まで一線で活躍していた。そ れだけに「励みになります。勢いを借りてOBもいいところを見せたいですね」 と本番に向け気を引き締めていた。