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日光、4強逸す

IH八戸工大一(青森)に3ー4


全国高校スケート

先制され歯車狂う

第45回全国高校スケート選手権大会(インタハイスケート)第4日は22日、群馬県伊香保ハイランドスケートセンターを主会場に行なわれ、スピードの男子で今井裕介(長野・佐久長聖)が千、千五百メートルの2種目で圧勝した。今井の千メートルは1分14秒98の高校新、千五百メートルは1分56秒74の大会新だった。今井は昨年の五百、千五百メートル制覇に続き、2年連続の2冠を飾った。

本県勢は、アイスホッケーの日光が準々決勝で青森の八戸工大一に3‐4と惜敗、準決勝進出を果たせなかった。スピードは男子の渡辺賢一(日光)ただ一人が千メートルと千五百メートルの決勝に挑み、千メートルでは1分20秒65の18位、千五百メートルは2分3秒82の14位に終った。フィギュアは男女フリー(Aクラス)が行なわれ、男子の岡本晃(今市)は14位、女子の野田薫(作新)は24位だった。

大会最終日は23日、県勢はスピード男子2千メートルリレーに日光が出場する。

<アイスホッケー>
準々決勝
八戸工大一(青森)1 2 1 |4
日光       0 2 1 |3
【評】
追い付いても追い付いても突き放される。日光はシューと数で41‐23と上回っていただけに、惜しまれる一戦だった。

2‐3で向かえた第3ピリオド8分33秒、小平憲から右サイドの高橋鉄へ鋭いパス、そのまま持ち込みGKをかわしゲット。三たび同点に追いつき振り出しに。10分31秒にはペナルティーを犯し4人対5人とピンチを向かえたものの、GK小島がゴールをきっちり死守。逆に14分53秒、絶好のチャンスを迎えた。相手の反則でパワープレーとなり、フォーメーションを生かしたパス回しから高橋淳がミドルシュート、小平憲がゴール前からと、ラッシュ。しかし後一歩というところまで詰め寄るが、得点には結び付かなかった。

この勝ち越しの好機を逸したのが痛かった。18分21秒には一瞬の虚を突かれたミドルシュートを決められ、息の根を止められた。6人攻撃で死力の限りを尽くしたが届かず、八戸工大一に後手後手だった。

準々決勝
駒大苫小牧(北海道) 7‐1 白樺学園(北海道)
釧路工(北海道)  10‐2 水戸短大付(茨城)
釧路江南(北海道)  4‐3 埼玉栄(埼玉)

準決勝
駒大苫小牧(北海道) 5‐2 釧路工(北海道)
釧路江南(北海道)  7‐5 八戸工大一(青森)


  反 補 得  日光    八一  得 補 反
  0 0 0 杉 田 GK 橋 本 0 0 0
  0 0 0 小 島    笹 本 0 0 0
  1 0 0 高橋淳 DF 谷 地 0 0 1
  1 0 0 藤 田    森 川 0 0 0
  0 0 0 井 上    坂 本 1 0 0
  1 0 0 広 内    山 口 0 0 1
  0 0 0 桐 花    金 本 1 0 1
  0 0 0 佐 原    久 保 0 0 0
  1 0 0 我 妻    関 沼 0 0 0
  1 0 0 高橋常    島脇只 0 0 0
  0 1 1 高橋鉄 FW 渋 谷 0 0 0
  1 1 1 小平憲    番 沢 1 0 3
  0 0 0 小平大    阿 部 0 1 0
  0 1 0 星野紀    高 橋 0 1 0
  0 0 0 平 田    代 島 0 0 0
  1 0 1 門 馬    根 本 0 0 0
  0 0 0 桜 井    島脇良 0 0 0
  0 0 0 森 田    上 村 0 0 0
  0 0 0 菊 池    田 中 1 0 0
  0 0 0 小 野    千 葉 0 0 0
  0 0 0 星 野    石 田 0 0 0
  0 0 0 赤 坂    田 島 0 0 0
  7 3 3   合    計   4 2 6
焦点

”本州の雄”を返上(日光)

日光の快進撃は予想外のところでピリオドが打たれた。「常に先手をとられてしまった」(高久竜也監督)。選手たちは終了のホーンとともに氷上に崩れ落ちた。

上々の立ち上がりに見えた日光だったが、先制点がこれほど響くとは思わなかった。第1ピリオド3分33秒、ゴール正面から得点を許すと一気に歯車が狂ってしまった。初戦の冷静さは見られず、次から次へとペナルティーが飛び出し相手のパワープレーをしのぐ悪循環に。このピリオドで計5つ、追撃の機会を自ら放棄した形となった。

第2ピリオドに入る前、高久監督は「冷静にゲームを組み立てペースをつかめ」と指示。高橋淳一主将らも「このままではだめだ」と本来の姿に戻り、56秒に小平憲が決め同点に。再び突き放されるものの、6分16秒には門馬がゲットし追いすがる。

しかし八戸工大一のGK橋本は世界ジュニア代表選手。計42本のシュートラッシュを見せるが、得点には結び付かなかった。「相手の守りを崩す前に攻めてしまった」と高橋主将は降りか返る。

終了間際にDF陣がパスミス。相手がミドルシュートを放ったパックは、GK小島考喜の肩口をかすめ、無情にもゴールエリアへと消えた。

”本州の雄”を堅持ちしてきた日光。1983年、準々優勝の八戸工大一戦では6‐0、翌年の八戸商戦でも8‐2と、これまでインタハイで青森勢に負けなしだった。それが一度もリードすることなく、ついにその座を明け渡してしまった。(和田利文)

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土屋 明仁(つちや あきひと) ME akihito@j.dendai.ac.jp