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より速く、強く、華麗に競え
本県の主役たち(アイスホッケー)


日光杉並木国体

現役時代の闘志全面に
平野利明(成年)

頼もしいファイターの登場だ。アイスホッケー日本リーグ元古河電工チームのDF平野利明(32)。作シーズンまで現役。日本リーグ仕込みのハードチェックが、今度は国体のひのき舞台で炸裂する。「おれに任せろ」。リンクに立つ平野から力強い言葉が返ってきた。

昨年は屈辱の初戦敗退。地元での復活を懸ける成年チームにとって、平野に寄せる期待は果てしなく大きい。「ディフェンスのかなめとしての役割はもちろん、攻撃面でもかなりやってくれるはず」(入江淳夫監督)。欲張りな要求が次々に飛び出すが、当の本人は「まあ見ていて下さい」と、軽く受け流す。

現役時代9年間は闘志を全面に押しだし闘った。「174センチ」と体があまり大きくないから、気持ちでいかないとね」。激しいボディーチェックで何度、大男たちをはじき飛ばしたことか。普段のひょうひょうとした性格が、リンクに一度立つと、一変したものだが、「基本的には今も同じ」と、言い切った。

アイスホッケー王国・北海道苫小牧市生まれ。苫小牧南工‐明大と、エリートコースを歩んできたが、古河時代はチームの不振で華々しい栄光には縁が遠かった。第二の古里、日光での国体。現役では味わえなかった勝利の美酒がそこにある。「酔いたいですね」。手にしたスティックをじっと見つめた。

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土屋 明仁(つちや あきひと) ME akihito@j.dendai.ac.jp