おそらくビフルカツム系の品種だと思います. 文献をいろいろ調べてみたところ Platycerium bifurcatum cv.'Ziesenhenne'が最も近い姿をしています(っていうかこれ?). 京都府立植物園の温室でも似ているものに出会いましたが, そこではたしか「Platycerium bifurcatum cv.'Ziesenhenne' × Platycerium alcicorne」のラベルがついていたと思います.
とても小型で性質も強いので都市部の住宅事情に適したビカクシダではないでしょうか. 繁殖力も旺盛で.冬は横浜(海沿い)では外に出したままでOKです.なんともかわいいビカクシダです.
購入理由
おっ,こんなにシンプルな姿のビカクを売ってるのは初めてみた!ということで...
購入にあたっての注意
・株全体のバランス
・病害虫の有無
こいつはサカタ横浜で買いました.散歩がてらにプラーッと寄ってみたら2つの草玉つくりのものがありました.お値段は“なんで?”ってぐらい高かったがなかなかの健康株だったので購入決定.紙で包むわけにもいかず,そのままぶら下げて帰ってきました.
さっそくヘゴ柱に着け直した
ミズゴケの玉につけて作られたものらしく,このままでは空中分解してしまいそうな感じだったので,部屋に帰ってきてからヘゴ柱を芯にして玉を作り直しました(着け直し後の写真).
(春〜秋の成長期)ヘゴにミズゴケで付けてある場合は上部のミズゴケではなく下部のミズゴケの状態を見ます.水が下がるので上の方のミズゴケが乾いても中はぐしょぐしょってこともあるからです.
下部のミズゴケ表面が乾いたらたっぷりと,表面だけでなく中まで十分に水が行き渡るように与えます.十分に水分を浸透させないと水不足で次第に葉(株)が小さくなってしまいます.また,水分が不足すると葉焼けしやすくなったりもします.
まだ枯死していない 緑色をした貯水葉同士の間に水が長時間滞まったままだと葉が腐ってくることがあります.株全体に頭から潅水したときはできるだけ風通しの良いところに置いたほうが良いでしょう.そんなに神経質になることはありませんけれども.
(冬とかの休眠中)ミズゴケが十分に乾燥し,ビカクの貯水葉がしおれ始める直前に,ミズゴケが十分水を含むぐらいたっぷりと潅水しています.ちなみにうちは最低温度13,4度Cあります.
この種類はわりと肥食いです.成長期には1ヶ月1度ぐらいの頻度で発酵油粕団子のような固形肥料を与えます.薄めの液肥を回数多く与えるよりも,固形肥料を与えた方が機嫌が良いように思います.
固形肥料を与える場合は茶色の貯水葉の後に詰め込み,潅水のたびに肥料分が溶け出すようにしてあげます.液肥を与える場合は,3000〜4000倍に薄めたもの潅水代わり,もしくは潅水2,3回のうち1回ぐらいの頻度で与えます
肥食いといっても,一度に固形肥料を大量に与えるようなことは避けます.
日照はやや強めにします.とくに朝のうちは直射日光,日中は遮光下となる場所がよいです.遮光率を低くする場合は風通しをよくして葉焼けしないように注意します.うちでは絶え間なく空気が動くような環境で20%遮光にしています.
暗いところでも十分育ちますが,葉が間延びしてしまい本種本来のコンパクトな姿を楽しむことは難しくなります.
上記した日照条件に加え,とにかく風通しです.空気が動けば根もとの水分が長時間停滞することはなくなりますから根ぐされの予防にもなります.
冬でも15度C〜25度Cの室温が確保できるようなら成長を続けるでしょう.むしろ暑い夏よりもこのぐらいの気温の方が活発に成長します.
活発に成長を続ける場合は施肥,潅水とも通常通り与えて構いません.日照は直射日光〜強めに.
最低室温が10度C以下の場合,潅水を控えめにし休眠させます.葉水をこまめに与えると良いでしょう.
最低室温が0〜5度C程度の場合,潅水はほとんど行いません.1ヶ月に1,2回,よく晴れた日の午前中にお湿り程度の潅水をします.
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