P.ワンダエはニューギニア原産のビカクシダです.のびのび育った大人のワンダエはとにかくデカイ!驚くほどデカイ!! 畳2枚.1坪.ビカクシダ最大級の大きさです.う〜ん,まさにオバケですねぇ.
貯水葉はやや前方に張り出しながら上に向かってまっすぐ伸び,上端には深い切れ目が入ります.裂片は何回か分岐します.
胞子葉は3,4回分岐して長く垂れ下がります.この胞子葉は2つの部分に分けることができて,一つは普通に分岐しながら下垂する部分で,
もう一つは垂れ下がらずに芽の位置と水平あるいは少し上のほうに向かって伸びる「spore patch」と呼ばれる部分です.
Spore Patchは,胞子の入ったちっさなカプセル胞子嚢がびっしりと付着する胞子専門の裂片です.
P.wilhelminae-reginaeという優雅な名前をみかけることがありますが,これはP.wandaeと同種とみなされています.
命名されたのもP.wandaeが先で,P. wilhelminae-reginaeはその数年後に命名されています.
ビカクシダには姿かたちの似ているものが多く,また地域や生育環境によっても姿が変わるために名前の混乱がつきものなのです.
アジア−オセアニアの大型ビカクシダ4種,P.wandae, P.holttumii, P.grande, P.superbumも姿が非常に似ていてて,
書籍やときには植物園の名札でも名前を間違えて紹介されることが多いです.
胞子葉や種類によって特徴的な形に発達する胞子パッチが育っていない幼少期の株の外見から種類を同定するのは非常に困難です
(茎のまわりにつく鱗片の形によって区別できることもあります).
大型ビカクシダの中でも根腐れには特に敏感な種類なんだそうです.ただ,それが大人になった大型の株に対してなのか, 苗のような小さな株に対しても言えることなのかどうかはよくわかりません.大株ではたしかに貯水量が多くなるだろうし, 潅水ばかりしていたら簡単に根腐れしそうではあります.
(成長期)ヘゴにミズゴケで付けてある場合は上部のミズゴケではなく下部のミズゴケの状態を見ます.水が下がるので上の方のミズゴケが乾いても中はぐしょぐしょってこともあるからです.
下部のミズゴケ表面が乾いたらたっぷりと,表面だけでなく中まで十分に水が行き渡るように与えます.十分に水分を浸透させないと水不足で次第に葉(株)が小さくなってしまいます.
(活動がにぶっているとき)ミズゴケが十分に(でもカラッカラではない)乾燥したら,ミズゴケが十分水を含むぐらいたっぷりと潅水しています. 冬は最低温度15度Cほどあるのですが,ワンダエは成長を続けています.いっぽう,夏の猛暑の時期はあまり活動しないようですから,この時期に適用しています.
成長期には1ヶ月1度ぐらいの頻度で発酵油粕団子のような固形肥料を与えます.薄めの液肥を回数多く与えるよりも,固形肥料を与えた方が機嫌が良いように思います.
固形肥料を与える場合は茶色の貯水葉の後に詰め込み,潅水のたびに肥料分が溶け出すようにしてあげます.液肥を与える場合は,3000〜4000倍に薄めたもの潅水代わり,もしくは潅水2,3回のうち1回ぐらいの頻度で与えます
日照は遮光を弱めにします.我が家では10時から14時ぐらいまで20%遮光です.日照を強くする場合は風通しをよくし葉やけに注意し,また乾燥も激しいので潅水にも注意します.
とにかく空気の循環です.
冬でも15度C〜25度Cの室温が確保できるようなら成長を続けるでしょう.むしろ暑い夏よりもこのぐらいの気温の方が活発に成長します.
活発に成長を続ける場合は施肥,潅水とも通常通り与えて構いません.日照は直射日光〜強めに.
高温性です.最低でも12,3度Cを保ちたいです.
葉の表面の星状毛がいがいに多いので,もので擦ったり,強い風で葉っぱ同士がすれてしまわないようにしたいです.
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