プラティケリウム ウィリンキー
Platycerium bifurcatum (Cav.) C. Chr. subsp. willinckii (T. Moore) Hennipm. et Roos
ウィリンキーはジャワ諸島原産のビカクシダです.ジャワ諸島は赤道直下の熱 帯気候で,4月~10月が乾季,11月~3月が雨季となります.乾季は気温が40度Cにまで上昇し降雨量は減少します.一方,雨季は気温35度Cほどです が毎日幾度となくやってくるスコールで湿度が非常に高くなります.成長も気候に合わせて乾季には休眠,雨季には成長期という生育サイクルを繰り返します. このように乾燥にも比較的強く,温暖湿潤な気候では盛んに成長し繁殖力も旺盛なため,ジャワ諸島に限らず熱帯地方に広く分布しています.
ウィリンキーはビフルカツムの貯水葉と胞子葉を上下に長く引き伸ばしたような姿をしています.貯水葉の上端は深く切れ込み扇のように広がり,胞子葉は4~5 回も二叉して長く垂れ下がります.さらに,葉の表面に密生する星状毛によって全体が灰緑白色を呈し,見る角度によっては銀白色に見えます.これらの 特長によってかもしだされる優雅な雰囲気は数あるビカクシダのなかでもトップクラスではないでしょうか.
以前は日本において市場での流通はあまり見かけませんでした.これはウィリンキーが大型になり冬越しにもそれなりの温度が必要だったためだと思われま す.というかそもそもビカクシダにあまり人気がなかったからかも.ですが最近では,しばしば販売されているのを見かけるようになりました.販売されている株は 小~中くらいの大きさのものが多いのですが,成長に伴い大型になってしまうのでそれなりの覚悟が必要です.ですがとても優雅で性質は強いものです.おすす めのビカクシダの一つです.
学名が示すように本種はビフルカツムの亜種とされていますが,一つの種として認識する見解もあります.植物学としての学名,園芸としての学名.互いの「よい部分」と「わるい部分」が交錯していて複雑になってしまっていますね.自分としては,こいつを「ウィリンキー」と呼べればなんでもいいです.
これは,小さい頃からのあこがれでした.
購入にあたって注意したこと
・株全体のバランス
・病害虫の有無
今回はこれらの項目はチェックしませんでした. もう,めったにお目にかかれないウィリンキーだし,一株しかなかったので即購入決定でした. 葉姿のバランスはこれからの栽培で何とかするとして, 問題は虫.家に帰ってびっくり!ヘゴ板からゴキブリが数匹. 蟻んこもたくさん.あっカイガラムシも!僕は何ともありませんが,みなさんは購入時には冷静に判断してくださいね.
店主> あのぶら下がってるやつですか.これコウモリランっていうんですけど...
僕 > ちょっと見せてもらえますか?
店主> どうぞ.
僕 > (ムムッこれはウィリンキー!)...これ,5000円ですか...
店主> もっと安くしますよ.4000円とかで.
僕 > う~ん.3500円!
店主> (あっさり)いいですよ.
店主> 羊歯を集めてるんですか?
僕 > ええ,ちょうど捜していた種類なんです!
店主> これ育つと大きくなりますからね~.44番の展示におっきいのあるから見てってください.
僕 > は~い.ありがとうございま~す.
(春~秋)ヘゴにミズゴケで付けてある場合は上部のミズゴケではなく下部のミズゴケの状態を見ます.水が下がるので上の方のミズゴケが乾いても中はぐしょぐしょってこともあるからです.
下部のミズゴケ表面が乾きかけてきたら(上部は乾いている)いたらたっぷりと,表面だけでなく中まで十分に水が行き渡るように与えます.十分に水分を浸透させないと水不足で次第に葉(株)が小さくなってしまいます.また,水分が不足すると葉焼けしやすくなったりもします.
真夏の熱帯夜が続くようなときは成長が鈍くなったりとまったりします.このようなときは潅水の回数を少なめにします.
(冬)最低温度が15度Cぐらいも日がよく当たる環境であれば成長を続けます.ですので完全に水を切ってしまうことはさけ,乾燥気味に管理しながらも潅水はしっかりと行います.10度Cぐらいだと成長は止まるかもしれませんがやはり時々は潅水した方が良いと思います.
この種類はわりと肥食いです.成長している時期には1ヶ月1度ぐらいの頻度で発酵油粕団子のような固形肥料を与えます.薄めの液肥を回数多く与えるよりも,固形肥料を与えた方が機嫌が良いように思います.
固 形肥料を与える場合は茶色の貯水葉の後に詰め込み,潅水のたびに根元に肥料分が溶け出すようにしてあげます.液肥を与える場合は,3000~4000倍に 薄めたものを潅水代わり,もしくは潅水2,3回のうち1回ぐらいの頻度で与えます.うちでは「固形肥料+潅水2,3回に一度薄めの液肥」です.
肥食いといっても,一度に固形肥料を大量に与えるようなことは避けます.
日照は半日陰~やや強めにします.とくに朝のうちは直射日光,日中は遮光下となる場所がよいです.遮光率を低くする場合は風通しをよくして葉焼けしないように注意します.
上記した日照条件に加え,とにかく風通しです.空気が動けば根もとの水分が長時間停滞することはなくなりますから根ぐされの予防にもなりまし,病害虫の予防にもなります.
冬でも15度C~25度Cの室温が確保できるようなら成長を続けるでしょう.むしろ暑い夏よりもこのぐらいの気温の方が活発に成長します.
活発に成長を続ける場合は施肥,潅水とも通常通り与えて構いません.日照は直射日光~半日陰に.
最低室温が10度C以下の場合,潅水を控えめにし休眠させます.葉水をこまめに与えると良いでしょう.
と言っています.
今度のベランダはほんとに風が強くて,毎晩風対策の工作をしているのですが,ようやく落ちついてきました.そろそろ出してあげようかな.なんせウィリンキーは葉っぱが長いから気を使うんです.
早く外に出してあげたいのですが,ベランダに吹き込む風の様子をもうちょっと観察しないといけないし,とくにここ数日は気温が低かったりでなかなか思うようにいきません.
ウィリンキーは真夏は成長が鈍くなって,秋口の最高気温が20度を下回る頃になるとはやくも休眠に入ってしまいます.なので,春早くに目覚めさせ,8月までに十分成長させてしまうようにしています.
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