プラティケリウム エレファントティス
Platycerium elephantotis Schweinf.
ウガンダからモザンビーク,中央アフリカから東アフリカにかけて,
熱帯雨林からやや乾燥した林に局所的に何箇所かに分布するビカクシダです.
成長した株では,レタス菜によく似た形の貯水葉と,先端が分岐せずに縁が丸く幅の広い胞子葉がとても印象的です.
とくに“丸い”胞子葉は,その形と同時に2枚付くことから,よく象の耳に例えられます.
学名も象(英:elephant)からきています.
自生地がアフリカなだけに,栽培するうえでもある程度の光線・高温が必要で, また乾燥と湿潤のはっきりした環境が必要とされています. さらにビカクシダの中でも低温下における根元の水分停滞には特に敏感で腐りやすいのだそうです. 栽培難易度は中くらい.
※P.angolenceとよく呼ばれますが,学術的には P.elephantosisと呼ばれるほうが正しいです. ボクはアンゴレンセのほうがなじんでいて好きですけれども...
Dreams come true
これまたウィリンキーに次いで小さいころからの夢でした.レタスというかキャベツの葉のような貯水葉にペロンと垂れ下がるダンボの耳のような胞子葉.はやくみたいなぁ.そうだキミの名前は“ダンボ”くんにしよう.
元気な子
元気な根がしっかり伸びてるし,芽も生き生き.“何になりたいのかよく分からない葉”(たぶん貯水葉)もぜんぜん傷がなくてほんとに健康体.Kさんの世話が行き届いているのがよく分かります.ヒラヒラとのびる“何になりたいのかよく分からない葉”がまたたまらなくかわいいなぁ.かわいすぎるぞっ!
そして気難しい子?
栽培に詳しい本,あるいは栽培している方の話しをきくと,なにやらダンボくんの養育は難しいらしい.とくに水には敏感らしく,また小さいころはよく腐っ てしまうことがあるのだとか.でも,最近新宿御苑にいったら新入りの若僧 elephantotisがじゃぶじゃぶ水をかけられて元気に育っていたしなー.やっぱ,ビカクはその環境にいかに慣れるかですよ.いやそうであって欲しい.
(春~秋)ヘゴにミズゴケで付けてある場合は上部のミズゴケではなく下部のミズゴケの状態を見ます.水が下がるので上の方のミズゴケが乾いても中はぐしょぐしょってこともあるからです.
下部のミズゴケ表面が乾いていたらたっぷりと,表面だけでなく中まで十分に水が行き渡るように与えます.十分に水分を浸透させないと水不足で次第に葉(株)が小さくなってしまいます.また,水分が不足すると葉焼けしやすくなったりもします.
真夏の熱帯夜が続くようなときは成長が鈍くなったりとまったりします.このようなときは潅水の回数を少なめにします.
(冬)最低温度が15度Cぐらいも日がよく当たる環境であれば成長を続けます.ですので完全に水を切ってしまうことはさけ,乾燥気味に管理しながらも潅水はしっかりと行います.10度Cぐらいでも成長はしますのでときどきは潅水した方が良いと思います.
我が家では4月中旬より5月下旬まで休眠.6月~3月が成長期となっています.真冬はちょうど胞子葉の成長の時期なので温度を少し高めに保ちつつ普通に潅水しています.
根 もとの水の停滞を嫌いますが,成長期は水が切れるとすぐにしおれまいますから注意してください.水が切れると,胞子葉は生気を失いだらんと垂れ下がり,ま だ緑色の貯水葉は後にぐいっと丸まってしまいます.さらなる水分の消失を防ぐためでしょうかねぇ.こんな状態になっても水を与えればすぐに元に戻ります. 逆に休眠期はちょっと乾してもなかなかしおれません.こんなときはミズゴケが乾いたからといって水を与えると,根ぐされを起こす可能性がありま す.
胞子葉2枚の成長が終わると,1~2ヶ月ほど休眠となり芽の活動は一時的に停止します.この時期に大量の水をたっぷりと与え続けていると根ぐされを起こしてしまいやすくなります.次の成長期の始まり,貯水葉の芽が動き出すまでは「しおれ始めたらやる」というサイクルで潅水すると安全です.芽が動き出してすぐの頃も,いきなり潅水頻度を多くするようなことはしないほうがよいと思います.成長の経過とともに徐々に潅水量を増やしていきましょう.成長真っ盛りの時期には非常に水を好みます.
成長している時期には1ヶ月1度ぐらいの頻度で発酵油粕団子のような固形肥料を与えます.薄めの液肥を回数多く与えるよりも,固形肥料を与えた方が機嫌が良いように思います.
固形肥料を与える場合は茶色の貯水葉の後においたり詰め込んだり,潅水のたびに根元に肥料分が溶け出すようにしてあげます.液肥を与える場合は,3000~4000倍に薄めたものを潅水代わり,もしくは潅水2,3回のうち1回ぐらいの頻度で与えます.
日照は半日陰~やや強めにします.とくに朝のうちは直射日光,日中は遮光下となる場所がよいです.遮光率を低くする場合は風通しをよくして葉焼けしないように注意します.
日照が強めだと全体的に白っぽくなり,その姿とあいまって独特の雰囲気をかもし出すようになります.胞子葉の「ペロン」感がいいですねぇ.
日照弱め&高湿度では胞子葉は巨大に育ちますが,のびのびしたその姿もまたよいものです.
上記の日照条件に加え,とにかく風通しです.空気が動けば日焼けの予防にもなりますし,なんといっても根もとの水分が長時間停滞することがなくなりますから根ぐされの予防にもなります.病害虫の予防にもなりますね.
我が家では,初夏から翌年の3月まで成長が続くので,冬でも最低気温は10度C~15度Cを確保します.
活発に成長を続ける場合は施肥,潅水とも通常通り与えて構いません.日照はできるだけ明るく.
茶色になった貯水葉はしだいに後側にまるまってきます.これによって貯水葉の後にたまっていたさまざまな残骸物が「ぎゅっ」と抱き込まれることになります.
栽培下では枯れて丸まった貯水葉が潅水の邪魔になったりするのでたまーに半分ぐらいを切り取ってしまうこともあります.
気温も成長期の夏に比べれば低く,水もすこしからめにしています.空中湿度も十分ではないためか,室内に取り込んでから成長した貯水葉は小さくなってしまいました...
片方の耳がなくなってしまいました.今度出てくる耳はきっと大きいはず.楽しみ.
やばーい!!と思い,とりあえずハイフレッシュをまぶしておきました.まぁ気休めに.その後は潅水時に傷があまり濡れないように気を付けたりしていますが,いまのところ腐ってくる様子はまったく見られないので安心(?).
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