プラティケリウム アルキコルネ
Platycerium alcicorne Desv.
アルシコルネはマダガスカルからアフリカ東部にかけて分布するビカクシダです.ぱっと見,姿はビフルカツムによく似ています.が,相違点:貯水葉は丸くふちの部分に切れ込みはありません.胞子葉はビフルカツムより幅が狭く,切れ込みが少々深いのが特徴です.
Platycerium vasseiとして出回る品種がありますが,ビカクハンドブックによると P. バッセイ とアルシコルネはどうやら同じ種とのこと.バッセイと呼ばれるほうはアフリカ大陸産のもので,上記の特徴に加えて全体的に明るい緑色をしていて「ツヤ」があります.普及種です.もう一方のアルシコルネはマダガスカル産で,すこし白っぽいく貯水葉は葉脈が浮き上がり,なんだか独特の姿です.
適切な環境で育ったものは,胞子葉が上のほうに向かって伸びます.どちらの種類も,質素で端整な印象を受ける姿です.
2005年4月29日 植物狩りツアーにて
植物狩りツアー(1泊2日)でエキゾチックプランツにいったときに出会いました.ずっと「アルシコルネって渋い(地味)よな」と思い込んでいたのですが,実際に見てみたらとってもかっこよくて,連れ帰ることに決めてしまいました.
よく日のあたるところでそだったためが,アルシコルネ本来の姿をしています.alci(枝分かれした)+corne(角).ホントに胞子葉が鹿の角によく似ています.
このアルシコルネはアフリカ大陸系のもので,明るい緑とややツヤのあるという特徴をしっかり備えています.
(春~秋)ヘゴにミズゴケで付けてある場合は上部のミズゴケではなく下部のミズゴケの状態を見ます.水が下がるので上の方のミズゴケが乾いても中はぐしょぐしょってこともあるからです.
下部のミズゴケ表面が乾きかけてきたら(上部は乾いている)いたらたっぷりと,表面だけでなく中まで十分に水が行き渡るように与えます.十分に水分を浸透させないと水不足で次第に葉(株)が小さくなってしまいます.また,水分が不足すると葉焼けしやすくなったりもします.
真夏の熱帯夜が続くようなときは成長が鈍くなったりとまったりします.このようなときは潅水の回数を少なめにします.
でも,かなり丈夫であまり水の管理には気を使わなくてもよいかも.
(冬) 凍結しなければ越冬可能のようですが,5度C以下になるようだと株が痛み,春の目覚めも遅くなります.温度は最低でも10度Cぐらいを保ち,わりとふつうに潅水できるような環境がわたしとしてはお勧めです.
成長している時期には1ヶ月1度ぐらいの頻度で発酵油粕団子のような固形肥料を与えます.薄めの液肥を回数多く与えるよりも,固形肥料を与えた方が機嫌が良いように思います.
固 形肥料を与える場合は茶色の貯水葉の後に詰め込み,潅水のたびに根元に肥料分が溶け出すようにしてあげます.液肥を与える場合は,3000~4000倍に 薄めたものを潅水代わり,もしくは潅水2,3回のうち1回ぐらいの頻度で与えます.うちでは「固形肥料+潅水2,3回に一度薄めの液肥」です.
肥食いといっても,一度に強い固形肥料を大量に与えるようなことは避けます.
アフリカ産 :
日照は半日陰~やや強めにします.とくに朝のうちは直射日光,日中は遮光下となる場所がよいです.遮光率を低くする場合は風通しをよくして葉焼けしないように注意します.
日陰でも枯れることはありませんが,貯水葉は細く長く伸びてしまいます. やはりできるだけ明るいところにおいてあげた方が良いです.
マダガスカル産:
日照は少し弱いほうがいいらしいです.
上記の日照条件に加え,とにかく風通しです.空気が動けば日焼けの予防にもなりますし,なんといっても根もとの水分が長時間停滞することがなくなりますから根ぐされの予防にもなります.病害虫の予防にもなりますね.
冬でも15度C~25度Cの室温が確保できるようなら成長を続けるでしょう.むしろ暑い夏よりもこのぐらいの気温の方が活発に成長します.
活発に成長を続ける場合は施肥,潅水とも通常通り与えて構いません.日照は直射日光~半日陰に.
最低室温が10度C以下の場合,潅水を控えめにします.
成長の記録
2006年8月
1年と半年.ちょっと日照がよわいので,胞子葉が伸び気味です.でも元気にそだっています.青々しすぎていて野菜のよう.
この後,この株は友人に譲ってしまいました.でもまた別の株をゲットしてしまうのです...
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