沖縄、海洋博公園・熱帯ドリームセンターのビカクシダ Feb. 2, 2018
2017年の2月中旬。ハイビスカス祭りに伊江島に行こう!とフライトを確保したのだけれど、”初めての沖縄”のわりには強行なスケジュールを組んだため、だんだん不安に、、。けっきょく直前になってハイビスカス祭りをあきらめ、気ままにドライブをしながら「ビカクシダの森」に行く旅に変更。そんないきさつをツイートしていたところ、急遽Twitterで知り合ったM氏にガイドしていただけることに。思いつきにもホドがあるだろうっ、と大概の人には呆れられそうなノープランぶりだったにもかかわらず、ご多忙なところをM氏のご厚意に恐悦至極。
なかでも憧れのひとつだった、海洋博公園に訪れることができたので、ビカクシダの写真をいくつか。(沖縄国際洋蘭博覧会会期中でしたが、欄の写真はまたの機会に)
↓ビフルカツムの門でイニシエーションを受ける人々。ビカクシダに興味があるかどうかが問われることはない。
↓よくみると一番奥のビカクシダはヒリー。ラベルがあったかどうかは覚えていないけど、これはヒリー。貯水葉の縁が切れ込まずに丸いままで、胞子葉は先端のほうが扇状に拡がっている。胞子嚢群の着く場所などが特徴。
↓ワンダエ。貯水葉の芽の付近がモシャモシャしているのが特徴。差し込んだ陽射しに葉脈が浮かぶ様子が、とても静かでゆったりとした雰囲気を醸し出していました。
↓とくになんでもない隅っこのほう。植物がすきなようにはびこって、そこには曇ったガラスを通った柔らかい光が射している。誰も見向きもしない場所なのだけれど、そこにこそ、その温室のこなれた雰囲気がよく顕れると思う。こういったひっそりとした小さな空間がたまらなく心地よい。建って数年ぐらいの温室ではぜったいに出せない独特の雰囲気。
かつての新宿御苑大温室、フラワーセンター大船植物園温室にもこういった空間があったのだけれど、建替え、経営改善などの理由によって消されてしまっている。そんなに綺麗にお片付けしたら、大型園芸店の販売コーナーとなにも変わらないでしょう(笑)っていう。熱帯植物に興味をもって植物園来るお客さん、そりゃますます減るでしょうっていう、ねえ。じっさい、大船の温室はリニューアルオープン初日には量産型市販ペペロミアしかも販売用ラベルが差されたままの鉢がずらりと並べられていて、それをみた瞬間に思わず失笑、それと同時に猛烈な虚脱感に襲われた(ある意味そのあたらしい試みには感心。そして”スイカペペ”ではなかったことに妙な安心感)。こんなこと言ってると、名誉毀損で訴える!とかやれれかねない世の中なので恐ろしい。口封じっていうんですよねそういうの。みんなももっとツッコんでやれーっ(怒)(あ、失礼)。
採算を気にして運用するものではないですよね、こういう施設。納税者の声が無視できない、というのであれば、人々の植物に対する興味がそこまでだ、ということ。そういわれても昔ほどの来場者数は期待できなしというのであれば、もう時代が変わったってこと。いっそのこと植物園から熱帯植物温室はなくしてしまえばいいと思う。植物園協会とかがあって規定などに「必ず熱帯植物温室を建てること」なんて書いてあるんなら、その項目を改変するべき。いまやヤフオクや大型園芸店のほうがよっぽど興味深い植物がある。と考えたら、熱帯植物温室のメリットは空間の大きさ、大きな植物が納められることでしょうね。個人やお店の販売コーナーと比較してより規模が大きいスケールで”自然に近い、本来のその植物の姿”が実現できそう、植物各々を展示するだけではなく植物同士の関係性をより効果的に展示ができることなのでは・・・と言いかけて、 はぁ、血圧があがってきてしまったのでストップ。
とりあえず、上記の視点から筑波実験植物園も最高ですよ!!
↓グランデ。グランデは貯水葉の葉脈がきれいですね。幅よし、高さよし、貯水葉の胞子陽のバランスもよし、貯水葉の葉脈よし、色みもよし、よいコトづくし。筑波にもグランデは居たと思うけれど、こちらのほうがより繊細できれいに見えた。陽射しの関係なのかもしれない。筑波ではちょっと木陰の強いところに置いてあるけれど、こちらは明るい場所にある。グランデの自生をイメージすれば、こちらのほうがより自然に近く、グランデの魅力を引き出せる環境にあるのかもしれない。
↓力強い葉脈の間に貼りめぐる繊細な葉脈。葉脈のコントラスト。これがグランデならではの特徴かもしれない。うつくしい。
↓ご婦人が「なんか、鹿の角みたいな葉っぱねぇ〜!」と感嘆していて、「うっわ、そんななんかの台本に書いてあるかのうようなお見事なセリフ・・・」と内心こっそり思ったけれど、これまで自分は「なんかコワ」「うわキモ」という植物園での捨て台詞を主に耳にしてきたので(最近でもやっぱときどき聞きますよ)、正直、目頭がなんとなく熱くなったのは内緒なのである。でも実際は、ビカクシダ解説の看板かなにかに書いてあったのかもしれない。その看板があったかどうかはよく覚えていない。
↓ラベルがなく詳細が不明だったけれど、なんとなくヒリーかそれ系の交配種かな?と思ったビカクシダ。かわいいビカクシダ。
↓自生地か!というような見事な演出。ビフルカツムは端正でとてもすばらしいビカクだということを再確認。
↓小型系のビフルカツム。ラベルがなかったので詳細不明。
↓グランデ。でも↑のグランデと比べるとかなり雰囲気が異なる。日照量の違いなんだろうか。
↓こんなにもすごいグランデがあるのに、けっこう人々はスルーしていく。。。もっと見てあげて!これすごいよ!!
↓・・・と、上昇したビカク熱を、ひっそりしっとりゆったりした空間でカルムダウン。
とにかくビカクが元気な印象だった。沖縄という気候の影響なのか、行き届いたメンテのおかげか。うーん、おそらく後者でしょう。M氏は「以前はグランデはもっと大きかった」と言っていたけれど、えぇぇそうだったんだ、という印象。そういえば定番のコロナリウムはなかったかな?・・・植物の変化も見てみたいし、また行かなければ!
熱帯ドリームセンターは、M氏がときどきUpするビカクシダの写真をを見ていつか行ってみたいと思っていたところだった。ほんとうに良いところを案内していただきました。感謝。
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