コロナリウム
Platycerium coronarium (Konig) Desv. 1827
Sym. Platycerium biforme Blume 1828
プラティケリウム コロナリウム(プラティセリウム コロナリウム)和名:オオビカクシダモドキ
こないだのハイビイベントのときに温室内をササっとまわって撮ってきた写真です。夢の島熱帯植物館のコロナリウムが元気に育っていました。新しく出てきている貯水葉も大きくなりそうな気配がします。背後の枯れた貯水葉をみると、これまで順調に育ってきている様子をうかがい知ることができます。でも単株なんですねー。芽が増えて群生しても良さそうな気がしますが、、、。
あと、胞子葉が倍ぐらいの長さになっても良さそうな気が、、、。って、ちょっと注文が多すぎてすみません(笑)。個体差でしょうかね。以前コロナリウムを育てていたときはここまで大きくは育てたことはなかったんで分からないんですが、もしかしたら、胞子葉が長く育つための特別な条件があったりするのかもしれません。風にそよがないと伸びないとか(サラサラヘアかっ笑)?肥料の具合とか?
10年以上前かもしれませんが、名古屋の東山動植物園の温室にあったコロナリウムがとても素晴らしいものだったのをいまでもよく覚えています。貯水葉も大きく胞子葉も1.5m以上ほどあって、そういうのが温室内数カ所にかけられていたんです。今はどうなってるんでしょうねぇ。その後・・・という噂を聞いたことはありますが。
↓はい、ということで、2002年7月13日の東山の写真を発掘
あまり多くの植物園に行ったことはないんですが、デカいコロナリウムが群生していて胞子をドサドサ落としてるような植物園温室ってどこかあるんでしょうか。コロナリウムはよく見かけるけど、意外とそんなふうに育っているとこは無いような気が、しないでもない、です。
で、夢の島の株は胞子嚢スプーンがわりと平開しているような気がします。東山のはちょっと丸まってます。もっと丸まって”おたま”みたいな形していてもよさそうにも思うんですが。これもきっと、個体差でしょうか。
胞子嚢パッチで連想想起したのが「A New Species of Platycerium from Peninsular Malaysia, Aziz BIDIN & Razali JAMAN Gard. Bull. Sing, 39(1), 149-151. 1986 」という論文で、新種ビカク Platycerium platylobum についての報告ネタ。胞子嚢スプーンがハート型をしていて、葉っぱがコロナリウムみたいに長いビカクが紹介されていて、もしやこれってコロナリウムのタイプ違いなだけでは・・・という個人的結論に至ったことがあります。あのときは西の御仁M氏とも「・・・ですよねぇ」と意見が一致し、きっとコロナリウムなんだ、ということで脳内FAした記憶がよみがえります(遠い目)。「Platycerium Update, Barbara Joe Hoshizaki & Michael G. Price, American Fern Journal 80(2) pp53-69, 1990」ではこの”新種”について、「THE MALAYAN PLATYCERIUM PLATYLOBUM」という章を設けて、トータル4ページほどにわたって議論がなされています。ホシザキ女史は1989年に現地に赴いて調査されたようです(さすが)。「Platycerium Update」には、現地調査でみられたコロナリウムの胞子嚢パッチのさまざまな変異がイラストで示されていて、♡型のや、ダブル♡♡型、4又になってるのとか、あんなのやこんなのも。最終的には、やはり P.platylobumは P.coronariumのシノニムとする「We therefor synonymize P.platylobum under P.coronarium」と、結論づけています。また「コロナリウムとリドレイは似ていて非なる種だけれども、この分類上の大きなギャップを埋めるビカクの存在が予言されていた・・・云々」といった内容もあって、もう25年も前の論文になりますが、今読んでみてもとてもエキサイティングな内容です。
コロナリウムにかぎらず、ビカクシダの姿ってすごい変化が多いですよね。何を持ってアレとコレの交配だとか、新種だとか、cv. v.と呼ぶのか、それホントなの?ってもう、わけ分けわかんない言ったもん勝ちのまるでカオスの世界になってきてます!「個体名」ていうふうな意味合いで向き合うと、だいぶ気持ちが楽になるかもしれません。もしかしたらさらに煩悩が増してしまうかもしれませんが。。。 さて、ちょっと脇道にそれそれてきたので、このへんで(逃げますw。
↓これはかつて育てていた初代コロナリウム。2002年秋〜2006年夏の様子です。胞子嚢パッチが♡型だった!(お子様の頃はこんなもん?)
久しぶりに初代の写真を見なおしていましたが、あぁぁ、見れば見るほどやっぱり手放してはいけなかった・・・。こんなに美人さんだったのに。・・・自業自得なんですが、後悔しすぎて悲しくなってきてきしまいます。
↓これは現在育成中の2代目コロナリウムです。
胞子葉が2枚完成したと思ったら、休むことなく新たな貯水葉展開シーズンに突入しました。少し小さめに完成している貯水葉2枚は、昨秋から今春にかけて育ったものです。水をからめに管理していたので、葉が小さめになってしまいました。もう少しこまめに水を見てあげるべきでした。
↓左側の胞子葉も今春完成したもの。右側の葉は今春から伸びはじめたもの。
葉のスケールがまったく違います。小さいタイプのコロナリウムかとも思いましたが、どうやら水が足りなかっただけみたいです。かといって、あまり水が多くても貯水葉が”おひたし”みたいになってきてしまうし、ちょっと迷いますがメリハリ潅水で。
- plattojpさんのブログ
- ログインしてコメントを投稿
最近のコメント
6年 2週前
7年 51週前
7年 51週前
7年 51週前
8年 9週前
8年 9週前
8年 10週前
8年 10週前
8年 25週前
8年 25週前