Platycerium coronarium

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暖かくなってきました

今年の冬はとにかく乾燥乾燥、空気の乾燥がひどかった。ほんとに雨が降らず、年末からは冷たく乾いた風がずっと吹いていた印象。室内では湿度50パーセントを目標に加湿器を回しているけれど、加湿器本体の湿度表示は30%台を示し続けていた。昨年はもうちょっと高い数値を示していたんじゃないだろうか。加湿器内部の吸水材みたいな部材ももう何年も使い続けているから、劣化が進んでいて加湿性能の低下にかなり影響を及ぼしているのかもしれない。いやしかし、やっぱりなんといっても原因は外気の乾燥だろうなぁ。

さらにこの1年間は、気苦労が多く失うものばかりで得るものが何もなかった某役に就いていたため、例年に比べて植物の様子を観察する時間がなかなかとれなかった。水を欲しがっているときに水をあげられなかったことが何度もあって、その度に「あぁぁ、もっとこまめに観察してはやめに水をあげるべきだった」と後悔を繰り返していたのだ。そう、心も乾燥していたっ!冬のあいだ室内に保護しているときは植物は次第に弱りつつあるから、本来であれば自分の生気を少しずつ植物に分け与えてなんとか春を迎えられるようにしてあげなければならないのだけれど、それができていなかった、、。体力の小さな植物はかなり枯れたし、いくつかのビカクシダはこの時期の立ち上がりの状況が思わしくない。これからの季節にしっかり草さんには回復してもらおう。そしてしっかり草さんからエネルギーをもらって心を潤わす。次の冬に備えて!

↓今冬はしっかりしたビカクシダラックを1台増設した。もともと細いアルミフレーム製の小さめのものがあったのだが、材をバラして別の目的で使用してしまっていたので、この際にというわけで。もともとホルタミーとコロナリウムの配置をどうにかしようという目的があったので、そもそも細いアフミフレームは強度の面から却下だったのだけど。

↓ こっち側向いてるホルタミー。向こう側にはコロナリウムをぶら下げている。1週間に1度、ラックの向きを180度回転している。ホルタミーとコロナリウムはけっこう重く(とくに水をやった後などは)、向きを変えるのはちょっと大変。

Platyceirum holttumii

↓ こっちがコロナリウム面。 コロナリウムはタイ産のやや細葉。けっこう好みのタイプ。いま3枚目の胞子葉が伸び始めている。2枚目の胞子葉は下に垂れ下が葉の最初の分岐のところで、半分の葉を折り失ってしまったのだけど、全体の葉のボリューム感に紛れて損失はほとんど目立たないよう仕上がっている。どうして折った?って、ラックを180度回転させたり水をやったりしているうちに尻を柔らかい葉にぶつけて。床に落ちた折れた葉を見た瞬間、絶句してそして完全に体が固った。狭い場所でメンテするから。ほんとすんませんでした>タイコロさん。Platyceirum coronarium

↓ ビフルカツムは先週あたり(だったかな)、ヒリーは昨日から外に。ビフルカツムは最低気温が5℃以上になったら、ヒリーはさらにすこし高い気温、というのを室内取り込みやベランダ追い出しの目安にしている。でもいつもの年はベランダ追い出しは4月になってからしていたけれど。今年はSNS民各位における追い出し状況などを参考にして、はやめに出してみた。ビフルカツム、ヒリーは室内ではかなり陽が弱い場所に置いていたため、葉焼けしないよう遮光ネットをセッティング。

Platyceirum bifurcartum

毎年この時期、安定のテコフィレア。春だなぁ。鼻を近づけると春の香りがする。3タイプぐらいを混植しているけれど、あと紫色の品種なんかも混植してみたいなぁ。

Tecophilaea cyanocrocus

ちょうど1年前に、練習にとはじめて買った雪割草。花茎がなかなか伸びず、花弁も何これちっさ!と何かといろいろ心配していたけれど、だんだんと長く、花弁も大きく拡がってくるものなんだって。先日の雪割草の展示会で新たに株導入したところに「やっぱりダメです」となってしまわないかほんとにハラハラ落ち着かない気分だったのだけど、安心です(笑)

しっかり咲いてみると、昨年とは見違えるようなよい花でとても満足。微妙に色合いの異なる赤花2株が植わっていて、手前の方のまだ咲ききっていてない方の株はもっと深い赤だったはず。どう咲くものか楽しみ。

epatica nobilis var. japonica

じつは最近、今後10年20年の自身の植物栽培趣味をどうしていくか、ということを課題として考え始めていて。冬も外にいてくれる植物に強く心が惹きつけられている。

 

コロナリウム

Platycerium coronarium (Konig) Desv. 1827
Sym. Platycerium biforme Blume 1828

プラティケリウム コロナリウム(プラティセリウム コロナリウム)和名:オオビカクシダモドキ

こないだのハイビイベントのときに温室内をササっとまわって撮ってきた写真です。夢の島熱帯植物館のコロナリウムが元気に育っていました。新しく出てきている貯水葉も大きくなりそうな気配がします。背後の枯れた貯水葉をみると、これまで順調に育ってきている様子をうかがい知ることができます。でも単株なんですねー。芽が増えて群生しても良さそうな気がしますが、、、。

Platycerium coronarium@夢の島熱帯植物館Platycerium coronarium@夢の島熱帯植物館 Platycerium coronarium@夢の島熱帯植物館

あと、胞子葉が倍ぐらいの長さになっても良さそうな気が、、、。って、ちょっと注文が多すぎてすみません(笑)。個体差でしょうかね。以前コロナリウムを育てていたときはここまで大きくは育てたことはなかったんで分からないんですが、もしかしたら、胞子葉が長く育つための特別な条件があったりするのかもしれません。風にそよがないと伸びないとか(サラサラヘアかっ笑)?肥料の具合とか?

10年以上前かもしれませんが、名古屋の東山動植物園の温室にあったコロナリウムがとても素晴らしいものだったのをいまでもよく覚えています。貯水葉も大きく胞子葉も1.5m以上ほどあって、そういうのが温室内数カ所にかけられていたんです。今はどうなってるんでしょうねぇ。その後・・・という噂を聞いたことはありますが。

↓はい、ということで、2002年7月13日の東山の写真を発掘

Platycerium coronarium@東山2002/07/13Platycerium coronarium@東山2002/07/13Platycerium coronarium@東山2002/07/13

あまり多くの植物園に行ったことはないんですが、デカいコロナリウムが群生していて胞子をドサドサ落としてるような植物園温室ってどこかあるんでしょうか。コロナリウムはよく見かけるけど、意外とそんなふうに育っているとこは無いような気が、しないでもない、です。

で、夢の島の株は胞子嚢スプーンがわりと平開しているような気がします。東山のはちょっと丸まってます。もっと丸まって”おたま”みたいな形していてもよさそうにも思うんですが。これもきっと、個体差でしょうか。

胞子嚢パッチで連想想起したのが「A New Species of Platycerium from Peninsular Malaysia, Aziz BIDIN & Razali JAMAN Gard. Bull. Sing, 39(1), 149-151. 1986 」という論文で、新種ビカク Platycerium platylobum についての報告ネタ。胞子嚢スプーンがハート型をしていて、葉っぱがコロナリウムみたいに長いビカクが紹介されていて、もしやこれってコロナリウムのタイプ違いなだけでは・・・という個人的結論に至ったことがあります。あのときは西の御仁M氏とも「・・・ですよねぇ」と意見が一致し、きっとコロナリウムなんだ、ということで脳内FAした記憶がよみがえります(遠い目)。

「Platycerium Update, Barbara Joe Hoshizaki & Michael G. Price, American Fern Journal 80(2) pp53-69, 1990」ではこの”新種”について、「THE MALAYAN PLATYCERIUM PLATYLOBUM」という章を設けて、トータル4ページほどにわたって議論がなされています。ホシザキ女史は1989年に現地に赴いて調査されたようです(さすが)。「Platycerium Update」には、現地調査でみられたコロナリウムの胞子嚢パッチのさまざまな変異がイラストで示されていて、♡型のや、ダブル♡♡型、4又になってるのとか、あんなのやこんなのも。最終的には、やはり P.platylobumは P.coronariumのシノニムとする「We therefor synonymize P.platylobum under P.coronarium」と、結論づけています。また「コロナリウムとリドレイは似ていて非なる種だけれども、この分類上の大きなギャップを埋めるビカクの存在が予言されていた・・・云々」といった内容もあって、もう25年も前の論文になりますが、今読んでみてもとてもエキサイティングな内容です。

コロナリウムにかぎらず、ビカクシダの姿ってすごい変化が多いですよね。何を持ってアレとコレの交配だとか、新種だとか、cv. v.と呼ぶのか、それホントなの?ってもう、わけ分けわかんない言ったもん勝ちのまるでカオスの世界になってきてます!「個体名」ていうふうな意味合いで向き合うと、だいぶ気持ちが楽になるかもしれません。もしかしたらさらに煩悩が増してしまうかもしれませんが。。。   さて、ちょっと脇道にそれそれてきたので、このへんで(逃げますw。

↓これはかつて育てていた初代コロナリウム。2002年秋〜2006年夏の様子です。胞子嚢パッチが♡型だった!(お子様の頃はこんなもん?)

Platycerium coronarium@自宅20030115Platycerium coronarium@自宅20040815 Platycerium coronarium@自宅20041226 Platycerium coronarium@自宅20060401Platycerium coronarium@自宅20060820 Platycerium coronarium@自宅20060820Platycerium coronarium@自宅20060820Platycerium coronarium@自宅20060820Platycerium coronarium@自宅20060401

久しぶりに初代の写真を見なおしていましたが、あぁぁ、見れば見るほどやっぱり手放してはいけなかった・・・。こんなに美人さんだったのに。・・・自業自得なんですが、後悔しすぎて悲しくなってきてきしまいます。

↓これは現在育成中の2代目コロナリウムです。

Platycerium coronariumPlatycerium coronarium

胞子葉が2枚完成したと思ったら、休むことなく新たな貯水葉展開シーズンに突入しました。少し小さめに完成している貯水葉2枚は、昨秋から今春にかけて育ったものです。水をからめに管理していたので、葉が小さめになってしまいました。もう少しこまめに水を見てあげるべきでした。

↓左側の胞子葉も今春完成したもの。右側の葉は今春から伸びはじめたもの。

Platycerium coronarium

葉のスケールがまったく違います。小さいタイプのコロナリウムかとも思いましたが、どうやら水が足りなかっただけみたいです。かといって、あまり水が多くても貯水葉が”おひたし”みたいになってきてしまうし、ちょっと迷いますがメリハリ潅水で。

コロナリウム

Platycerium coronarium (Konig) Desv.

朝日に照らされて”金色”のコロナリウム!

これは小型のタイプのコロナリウムでしょうかねぇ。以前に「普通サイズのコロナリウムじゃないとイヤだ」とか言ってたような気がしますが、やっぱり小型のほうがいいですね笑 でもやっぱり普通サイズになるんでしょうか。まだよく分かりません。

Platycerium coronarium

2枚目の胞子葉が出てきたところです。冬の間は水を切らし気味にしていたせいか、1枚目の胞子葉、最近の貯水葉は小さめです。 

Platycerium coronarium

↓ハイビ。タヒチアン・プリンセスが咲きそう。

Hibiscus rosa-sinensis 'Tahitian Princess'

週1向き変え

ビカクハンガーです。休日の朝はA面B面(死語)の向きを変えることからはじまります。
ちなみにこちらはA面です。向きを90度変えたところで写真撮影。この後さらに90度回転しました。

ビカクハンガー

部屋の内側を向いている面にはほとんど日が当たりません。なので定期的にハンガーの向きを変え、ビカクシダに平等に日が当たるよう注意しています。本当は毎日向きを変えてあげたいんですが、ハンガーが重くて大変なので、向き変えは週に一度です。

毎日観察していると、やっぱり日に当たるほうが葉の張りや色がいいような気がします。週1じゃなくて、3日に1回ぐらいにしてあげようかな?もっと手軽に向きを変えられれば、、、。

左上:アンディヌムは胞子葉の成長が完了し、一休みしているところです。今年は秋口からも水を少し多めに与えましたが、わりとしっかりと胞子葉が伸びてくれたのではないかと思います。一昨年、昨年と胞子葉がいじけてしまっていたのは水不足だった可能性あり、です。今年は貯水葉が小さめになってしまったのが少し残念です。

右上:コロナリウムは成長が続いています。いま4枚目の貯水葉が成長中で直径10cmぐらいになったところです。3枚目の貯水葉はすでに固まっていますが、水不足のため小さな葉になってしまいました。

右中:ヘナヘナ~っと脱力系ビカクシダのアフリカン・オディッティはお休み中です。記憶が確かなら、アフリカン・オディティはしっかり休憩しますね。芽がふっくらしていても動き出しそうで動かない。きっとあと4,5ヶ月はお休みなさるんではないでしょうか。

右下:アンゴレンセは胞子葉展開シーズンが終わり、貯水葉が伸び始めています。ビヨ~ンと急速に伸びてきていて、無事大きく展開してくれたらいいんですが。昨年の古い胞子葉は縁から枯れこみが入ってきています。これはおそらく病気で、何かの菌が原因でしょうね。枯れこみは乾燥しながら輪紋状に広がってきます。以前に「空気が乾燥して枯れ込んできてるのかな?」と思って葉水したところ、輪紋の浸潤が加速したことがあって(コワッ)それ以来うちではどのビカクにも葉水はしないようになりました。 そろそろ薬かけようかな、、。

 

Platycerium coronarium

プラティケリウム・コロナリウムの貯水葉、大きくなってきました。

Platycerium coronarium

この、新しい葉が出る度にますます大きくなりそうな恐怖感。スバラシイ、、。貯水葉の先端部分は半透明になっていて、きっと激しく細胞分裂してるんでしょうね〜。水滴もついていますが、これはどういった生理なんでしょうか。舐めてみるとちょっと甘いような。というわけで検索してみたところ

朝露について - 日本植物生理学会-みんなのひろば- より

質問:朝露について 登録番号: 0037
2004-03-05
植物の葉にある朝露の内容・機能について教えてください。また、その液体の出口の名称も教えてください。
会社員
清水 優
回答
清水 優さま

葉につく露,これには2種類あります。
一つは本当の露です。晴れた日の朝には,放射冷却によって葉の表面から熱が奪われ,空気よりも温度が下がります。空気が湿っていると,葉の温度が露点以下になって露がつきます。したがって,この場合には,露の成分は純粋に水です。

もう一つは根圧によるものです。根の細胞が,呼吸エネルギーを使って,中心柱の道管(土壌から吸い上げた水や、窒素・カリウムなどの栄養塩類を地上部に運ぶ働きをしています)にイオンを送り込みます。これで浸透圧があがり,土壌の水が植物の体内に入り,地上部までやってきます。ヘチマ水と同じ原理です。この水が葉の「水孔」とよばれる穴から出てきます。この現象を溢泌といいます。つる植物(たとえばホップと同じ仲間のカナムグラ),オランダイチゴ,サトイモなどではよく見られる現象です。溢泌は蒸散の少ない状況などで、体内の過剰水分の排出に働いていると考えられています。溢泌液は、もともとは植物の道管液ですから、様々なイオン類が含まれています。ただ、植物にとって貴重な栄養素をそのまま捨ててしまうのはもったいないので、「水孔」周辺の細胞には、溢泌液の中からもう一度必要な栄養を植物体内に取り戻す仕組みが存在することが分かってきました。

寺島 一郎(大阪大学)
三村 徹郎(奈良女子大学)
2006-10-20
大阪大学
寺島 一郎

梅雨時の根圧による朝露現象ってことみたいです。ビカクにも朝露がつくんですねー!!風流です。根っこが元気な証拠ともいえそうで、安心。そいえば、アヌディヌムは葉っぱの後ろに”甘い”小さな水滴がたくさん出ますが、あれも朝露的なものなのだろうか???

これから大きくなっていくにつれてミズゴケを追加することもあるだろうし、今は水苔の量は気持ち少なめで着けてあります。水やりは、水苔をさわって生乾きになったら(カサカサの手前)。水の量は”じゃぶじゃぶたっぷり”ではなく、ミズゴケのところに静かにサーッとかけて、下から水滴が落ち始める直前ぐらいに水かけ止めにしています(分かりにくいですね〜w)。水やりをやめて数秒経つと下から水滴がしたたり落ちてくるぐらいです。それでも古い貯水葉の付け根周辺が”おひたし”っぽくなるので、ちょっと嫌な感じです。

Platycerium coronarium

やっぱり、ミズゴケの量が多かったかなぁ。。。もうちょっと乾かしてから水やりしてもいいかも、、、。

乾燥が激しい盛夏時ではまた水やりの仕方がかわってくるかもしれないです。

 

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