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Platycerium andinum May 6, 2018
投稿者: plattojp 投稿日時: 日, 05/06/2018 - 02:41アンディヌム1号です。
1号は以前アメリカのナーサリーから来たもので、そのときには既に成長サイクルが北半球に順応していました。つまり、4〜10月ごろに成長し、その他の期間はすこしお休みというパターン。さいきんよく見かける現地株は成長サイクルが南半球のまま連れてこられてるんではないでしょうか=10〜4月に成長しその他の期間はお休みサイクル。そういった北半球に順応させていない株に、これからの季節も水やりを続けると根腐れを起こしてしまう可能性があります。いまの時期、胞子葉の成長がちょうど完了したぐらいの状態なら、気持ち乾かし気味に管理し、秋の活動再開に備えるとよいと思います。長い胞子葉が輸送のため大胆にカットされ、今年成長が完了した葉っぱなのかどうかがわからない!という場合は、大丈夫です、そういった株はだいたい現地株でしょう。
現地では7〜8月が乾季(といってもわりと雨は降る)で、この頃は気温が35度を超える日も多いとか。10月頃からしだいに雨量が増え、アンディヌムも成長を再開します。年末ごろ2枚の貯水葉が完成すると、こんどは胞子葉の成長が始まります。 3〜4月は雨期の終盤で、河川の近隣地域では洪水で水浸しになるほどの長雨となります。5月には雨量が減ってきて、胞子葉の成長も完了。
ところで、成長サイクルを南半球から北半球に変えるにはどうしたらよいんでしょう・・?
↓ アンディヌム2号
2018年の世界らん展で入手したアンディヌム。昨年(2017年)より南米の蘭屋さんがアンディヌムを持ってきています。昨年は様子見していたんですが、今年はついにお買い求めに。 そろそろ胞子葉の成長が完了しようとしているところです。おそらくこれから秋ごろまで一休み。
ビカクシダの子株は通常とは異なるサイクルで貯水葉を出すことがあるように思っています。具体的には、貯水葉がではじめて胞子葉も1枚ぐらい伸ばしたあと、”次のサイクルの”貯水葉が出始めるまでの期間が短い。など。そのどさくさに紛れて北半球サイクルに成長を合わせてもらう・・・。
アンディヌムも幼い株だと、もしかすると、来月ぐらいから貯水葉を出しはじめたりしたりしないかな〜、と淡い期待をしているところです。
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沖縄、海洋博公園・熱帯ドリームセンターのビカクシダ Feb. 2, 2018
投稿者: plattojp 投稿日時: 日, 02/04/2018 - 04:30
2017年の2月中旬。ハイビスカス祭りに伊江島に行こう!とフライトを確保したのだけれど、”初めての沖縄”のわりには強行なスケジュールを組んだため、だんだん不安に、、。けっきょく直前になってハイビスカス祭りをあきらめ、気ままにドライブをしながら「ビカクシダの森」に行く旅に変更。そんないきさつをツイートしていたところ、急遽Twitterで知り合ったM氏にガイドしていただけることに。思いつきにもホドがあるだろうっ、と大概の人には呆れられそうなノープランぶりだったにもかかわらず、ご多忙なところをM氏のご厚意に恐悦至極。
なかでも憧れのひとつだった、海洋博公園に訪れることができたので、ビカクシダの写真をいくつか。(沖縄国際洋蘭博覧会会期中でしたが、欄の写真はまたの機会に)
↓ビフルカツムの門でイニシエーションを受ける人々。ビカクシダに興味があるかどうかが問われることはない。
↓よくみると一番奥のビカクシダはヒリー。ラベルがあったかどうかは覚えていないけど、これはヒリー。貯水葉の縁が切れ込まずに丸いままで、胞子葉は先端のほうが扇状に拡がっている。胞子嚢群の着く場所などが特徴。
↓ワンダエ。貯水葉の芽の付近がモシャモシャしているのが特徴。差し込んだ陽射しに葉脈が浮かぶ様子が、とても静かでゆったりとした雰囲気を醸し出していました。
↓とくになんでもない隅っこのほう。植物がすきなようにはびこって、そこには曇ったガラスを通った柔らかい光が射している。誰も見向きもしない場所なのだけれど、そこにこそ、その温室のこなれた雰囲気がよく顕れると思う。こういったひっそりとした小さな空間がたまらなく心地よい。建って数年ぐらいの温室ではぜったいに出せない独特の雰囲気。
かつての新宿御苑大温室、フラワーセンター大船植物園温室にもこういった空間があったのだけれど、建替え、経営改善などの理由によって消されてしまっている。そんなに綺麗にお片付けしたら、大型園芸店の販売コーナーとなにも変わらないでしょう(笑)っていう。熱帯植物に興味をもって植物園来るお客さん、そりゃますます減るでしょうっていう、ねえ。じっさい、大船の温室はリニューアルオープン初日には量産型市販ペペロミアしかも販売用ラベルが差されたままの鉢がずらりと並べられていて、それをみた瞬間に思わず失笑、それと同時に猛烈な虚脱感に襲われた(ある意味そのあたらしい試みには感心。そして”スイカペペ”ではなかったことに妙な安心感)。こんなこと言ってると、名誉毀損で訴える!とかやれれかねない世の中なので恐ろしい。口封じっていうんですよねそういうの。みんなももっとツッコんでやれーっ(怒)(あ、失礼)。
採算を気にして運用するものではないですよね、こういう施設。納税者の声が無視できない、というのであれば、人々の植物に対する興味がそこまでだ、ということ。そういわれても昔ほどの来場者数は期待できなしというのであれば、もう時代が変わったってこと。いっそのこと植物園から熱帯植物温室はなくしてしまえばいいと思う。植物園協会とかがあって規定などに「必ず熱帯植物温室を建てること」なんて書いてあるんなら、その項目を改変するべき。いまやヤフオクや大型園芸店のほうがよっぽど興味深い植物がある。と考えたら、熱帯植物温室のメリットは空間の大きさ、大きな植物が納められることでしょうね。個人やお店の販売コーナーと比較してより規模が大きいスケールで”自然に近い、本来のその植物の姿”が実現できそう、植物各々を展示するだけではなく植物同士の関係性をより効果的に展示ができることなのでは・・・と言いかけて、 はぁ、血圧があがってきてしまったのでストップ。
とりあえず、上記の視点から筑波実験植物園も最高ですよ!!
↓グランデ。グランデは貯水葉の葉脈がきれいですね。幅よし、高さよし、貯水葉の胞子陽のバランスもよし、貯水葉の葉脈よし、色みもよし、よいコトづくし。筑波にもグランデは居たと思うけれど、こちらのほうがより繊細できれいに見えた。陽射しの関係なのかもしれない。筑波ではちょっと木陰の強いところに置いてあるけれど、こちらは明るい場所にある。グランデの自生をイメージすれば、こちらのほうがより自然に近く、グランデの魅力を引き出せる環境にあるのかもしれない。
↓力強い葉脈の間に貼りめぐる繊細な葉脈。葉脈のコントラスト。これがグランデならではの特徴かもしれない。うつくしい。
↓ご婦人が「なんか、鹿の角みたいな葉っぱねぇ〜!」と感嘆していて、「うっわ、そんななんかの台本に書いてあるかのうようなお見事なセリフ・・・」と内心こっそり思ったけれど、これまで自分は「なんかコワ」「うわキモ」という植物園での捨て台詞を主に耳にしてきたので(最近でもやっぱときどき聞きますよ)、正直、目頭がなんとなく熱くなったのは内緒なのである。でも実際は、ビカクシダ解説の看板かなにかに書いてあったのかもしれない。その看板があったかどうかはよく覚えていない。
↓ラベルがなく詳細が不明だったけれど、なんとなくヒリーかそれ系の交配種かな?と思ったビカクシダ。かわいいビカクシダ。
↓自生地か!というような見事な演出。ビフルカツムは端正でとてもすばらしいビカクだということを再確認。
↓小型系のビフルカツム。ラベルがなかったので詳細不明。
↓グランデ。でも↑のグランデと比べるとかなり雰囲気が異なる。日照量の違いなんだろうか。
↓こんなにもすごいグランデがあるのに、けっこう人々はスルーしていく。。。もっと見てあげて!これすごいよ!!
↓・・・と、上昇したビカク熱を、ひっそりしっとりゆったりした空間でカルムダウン。
とにかくビカクが元気な印象だった。沖縄という気候の影響なのか、行き届いたメンテのおかげか。うーん、おそらく後者でしょう。M氏は「以前はグランデはもっと大きかった」と言っていたけれど、えぇぇそうだったんだ、という印象。そういえば定番のコロナリウムはなかったかな?・・・植物の変化も見てみたいし、また行かなければ!
熱帯ドリームセンターは、M氏がときどきUpするビカクシダの写真をを見ていつか行ってみたいと思っていたところだった。ほんとうに良いところを案内していただきました。感謝。
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アンディヌムへの道 Jan. 28, 2018
投稿者: plattojp 投稿日時: 日, 01/28/2018 - 10:09やっとの思いで空路を外れることができた!と思ったのもつかの間。休む間もなくこんどは森のなかの活動拠点まで車で移動。予想していた状況とかなりの隔たりがあったので「ヤバイよヤバイよ〜、これぜんぜん聞いてないんだけど〜、準備してきた装備たりないんじゃないの〜?どうするさ〜」と正直ちょっとあせり。もうこの状況これ観念するしかないわな、というところに、さらに悪路シャッフルが追い打ちをかけてくるので逆に次第にやる気ができてたところのシーンです!!笑
でもね、不思議だったんです。容赦なく上下左右に揺さぶられ、窓からは小枝が腕をバシバシ打ち付けてくるし、ちっさい虫はガシガシ車内に飛び込んで、「ヤバイよヤバイよ〜」と思ってるのに、熱帯の植物や遠くの景色を見て、とても静かになっている心の一部分を感じてもいたのです。・・・これってある種のトランス状態だったんでしょうか笑 ありますよね、こういうの!(ない?)
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ペルーのヤマイモ Jan. 25, 2018
投稿者: plattojp 投稿日時: 木, 01/25/2018 - 14:49
Dioscorea dodecaneura Vell.
synonym:
Dioscorea bangii R.Knuth
Dioscorea discolor Kunth
Dioscorea dodecandra Steud.
Dioscorea dodecaneura var. maronensis Uline ex R.Knuth
Dioscorea dodecaneura var. villosa R.Knuth
Dioscorea hebantha Mart. ex Griseb.
Dioscorea huallagensis R.Knuth
Dioscorea illustrata W.Bull
Dioscorea kita Queva
Dioscorea racemosa Rusby
Dioscorea vittata W.Bull ex Baker
ズラリとシノニムをリストアップしてみましたが、なぜこんなに・・・? それは植物を見ればきっと納得。一つの山でも見かける株ごとに(と言ってもいいぐらい)葉の模様が違いました。分布はひろく、北米南部フロリダからコスタリカ、ブラジル、ペルーまで産するようです。学者方々も惑わされてしまったんですねきっと。地域ごとにどんな個体差が見られるのか、とても興味深い植物です。たとえばペルー集中ではなく、さまざまな地域からほどよいバランスでサンプルできるといいですね。あとは栽培法と増殖法の確立と。
地下深くに芋があって、乾燥機には地上部を枯らして休眠するそうです。↑の写真で蔓の部分をよく見てみると、枯れた蔓が巻いているのが分かりますよね。そういえば、細い蔓が林床を這ってるような、小さな株しかないなぁ、と思ってはいたのですが、毎年休眠して地上部を更新しているからということなのかもしれません。ぶっとい蔓が木に巻きついてはるか上のほうまで伸びている株は、私が見つけた株の限りでは一つもなかったです。とすると、成長もそんなに太くはなさそうですね。ネットで検索するとわさわさ茂っている様子の写真も出てきますが、栽培下であれば休眠することもなく通年成長するのかもしれません。
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Platycerium holttumii
投稿者: plattojp 投稿日時: 日, 01/22/2017 - 13:00空から降ってくる何かを必死に受け止めようとするかのように、天に向かって両手両腕を大きく広げる貯水葉。よく目を凝らしていつまでも見つめていると、視線を動かした刹那に本当にいま指が動いたのではないかと錯覚すら覚えてしまいます。一方の胞子葉も、地面に落ちているこれまた”何か”を必死に掴みとろうと、うねうねと必死に手を伸ばすようです。葉脈の交わりや葉の表面のなだらかな起伏が爬虫類の皮膚やその下の筋肉を彷彿とさせ、動物感をよりリアルなものにしているのではないでしょうか。←これは毎回言ってるような気がしますが、ホルタミーの大きな魅力の一つですから、どうしてもはずすわけにはいかない! ・・・ああ、それにしても大きくなりましたホルタミー。
ホルタミーだけではなかなかスケール感が伝わらないので、私が座標軸になってみました。まずはY軸の私。Y軸は170cmぐらいで、その胸元に貯水葉の先がきます。近づく葉っぱを撫でてあげたい気分もしますが、星状毛が取れてしまうのでダイレクトな触れ合いは厳禁です。 傍らにそっと寄り添い、互いのオーラを交換することでコミュニケーションを図るのが正しい方法(諸説あり)。
↓そしてX軸の私。これはなんというか、どう解説したらよいものか。。
室内栽培で日光が1方向から射すため、胞子葉の成長が、どうしても前の方に抱え込むようになってしまいます。葉が大きいので、日照方向の影響が顕著ですね。上方から光が射せば、胞子葉がきれいに展開してうつくしい姿となるはずです。投光器でも設置すれば良いのでしょうけれど、肩身の狭い集合住宅生活ではご近所さんの視線が気になります。レフ板とか使ったらうまくいくでしょうか。今後チャレンジし甲斐のある改善点ではあります。
今冬の管理ですが、根腐れに気をつけつつも新しい葉の成長を妨げないように十分な潅水にも気をつけました。今年の10月ぐらい、向かって左側の胞子葉が30cmほどの大きさになり、貯水葉も先のほうがまだ伸長中で全体的に活発に葉が成長している時期は、ミズゴケが乾いていることを確認できしだいたっぷりと水やりしていました。だいたい5日〜7日に1回。年末年始あたりの葉が完成に近づき成長がゆっくりとしてきたころは7日〜10日に1回、たっぷりと。
ですが、葉の成長が完了するあたりの水分量を見誤り、芽付近の貯水葉が黒く変色させてしまいました。水分量が多すぎたのでしょう。盛んに葉が伸びているときに水不足になってしまうことを恐れ、ミズゴケが乾いていないにもかかわらず潅水してしまうことが幾度かありました。それでもしばらくはなにも問題がなかったので、ついついイレギュラーであることに慣れてしまっていたのだと思います。そして気づいたときには黒いおひたし様部分が orz
幸い、異変に早めに気づいたこともあって、深刻な状況には至りませんでした。逆に、黒くなったところの色の変化を潅水タイミングの決定に活用しています(笑)。つまり、黒い部分がみずみずしければ水分は十分に足りているから水はあげない。黒い部分がすっかり乾いて明るい茶色になったら水をあげる、という具合で。
これから2ヶ月前後お休み期間に入ると思います。それにともない、潅水の頻度はもう少し減ると思います。で、そうこうしているうちにまた新しい貯水葉が伸び始めるでしょう。今回のこの大きさでもフルサイズではありません。この2まわりりは大きくなってもおかしくはないと思います。来シーズンはどんな育ちっぷりを見せてくれるか、こわいけど楽しみです。
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