ビカク2号はアルシコルネ?(2015夏の自由研究)

これが今年最後のアップになりそうです。

年内になんとかしたいなー、と思いつつも権利関係の確認作業に着手しなかったために紹介できなかった大きなネタがあります。今年の夏の自由研究「ビカクシダの日本渡来に迫る」です。実は、昨年末頃から、ビカクの日本渡来に近づこうと古めの資料を探していました。研究とか迫るとか調査とかいってもそんなたいしたことはしていないのですが、ようするに、”ビカクシダ”あるいは”コウモリラン”のキーワードが載っているできるだけ古い資料を探す、ってことです。神保町の古書店に通ったりネットでいろいろ調べたりして、資料コレクションを拡充、今年の6月に国会図書館資料の紹介などしていたのはこの自由研究の一環であったわけです。でも辿れたのは昭和一桁まで。牧野富太郎先生によると「ビカクシダの日本渡来は明治初年1870年代だろうと思われる」とのことだったので、まだまださかのぼれるだろうとせっせこ調査を続けました。

で、そんなこんなでたどり着いたのは横浜開港資料館。渡来モノをさがすならその窓口へ!そりゃそうですね。意外にもわりと近いところにそれはありました。6,7,8月の週末は折を見ては横浜開港資料館に通いましたよ、ええ。

横浜植木株式会社の「明治四十一年度 定價表(CATALOGUE OF THE YOKOHAMA NURSERY CO., LTD.)」。1908年、いまから100年以上も前の輸入植物のカタログ。室内鑑賞植物カタログ35ページにビカクシダさん居ました!当時の価格は70銭。ほほぅ。

1914-15年大正3-4年度カタログにはビカクシダの白黒写真が初めて登場します。ビカクシダ写真入りとしては横浜植木では最初のカタログです。

そして・・・ と、ここで突然の流れぶった切りですが、今回はここまで。掲載許可をもらってカタログのコピー画像を掲載できたらいいな!と思っています。 開港資料館で問い合わせたところ、”この写しをネットに掲載してよいかどうかの判断については横浜植木に直接ご確認ください”、とのことでしたので、ちょっと手間がー。手元にはもうコピーがあるのに、うずうず。

待ってらんないから、という方はぜひ開港資料館に行ってみてください。地下1Fの閲覧室で原本の写しを見ることができます。地上階の展示室は見ないで閲覧室のみの利用なら100円で入館できます。

洋らん、サボテン、その他の観葉植物についても、へー、この時代にこれもう入ってきてだんだーとか、ソブラリア・マクランサの白花が50円!すごー。とか、ネペン8円、ボストンタマシダ2円(負けた)、モンステラ・デリキオサ75銭(負けた)いろいろ面白いです。

 

で、ビカクシダの日本渡来に関連して注目したいのは、↓のビカクシダ2号なんです。

もしかしたら・・・またしてもここで中断&来年につづく。

 

そして、ここからは強引に近況報告に切り替え。

昨年3回めの株分けをしたビカクシダ2号です。
2014年8月株分け直前のお姿株分け直後2014-2015冬 → 現在に至る。

ビカクシダ2号 Platycerium bifurcatum(Platycerium alcicorne)

じつは昨日までベランダに居ました。今年の冬ははやはり暖かめで、寒さのダメージが少ないです。というか元気に成長を続けています。強い子です。でもまだちょっとお子さまなので、今年も厳冬期は室内で保護。あと2年ぐらいしたらまた通年ベランダに切り替えようかと予定しています。

ビカクシダ2号 Platycerium bifurcatum(Platycerium alcicorne)

メインの株の伸び始めた小さな葉。手みたいじゃないですか?サンショウウオの手、みたいな。こうして写真見てるとかわいいもんですねぇ。

ビカクシダ2号 Platycerium bifurcatum(Platycerium alcicorne)

今年の春にはすでに子株の芽が出ていたような気がします。その後順調にそだって、やっと最初の胞子葉が出てきました。来シーズンはさらに育つだろうし、新たな子株も増えてきそうで、いっきにボリューム感が増すのではないかと思います。

↓ワリチーの現在の様子。すでに活動を再開しています。でも要注意で、ここで意気込んで水をたっぷりあげはじめたりすると根腐れしてしまいます。貯水葉に貯水された水分をしっかり使いきってから次の水をあげるぐらいのペースがよいと思います。またこのあたらしい葉の動きが激遅なんですよねぇ。そういうこともあって、水はそんなに積極的にはいらないです。水が足りなくて、胞子葉が脱力しはじめて・・・はいそこで水やり、みたいな、そういうペースです、うちでは。

Platycerium wallichii

といっても、ワリチーはそんなに長い年月育てたことがないので、正しいのかどうか自信がないです。これまで、1年目元気→2年目貯水葉がしょぼくれ胞子葉は元気→3年目のはじめに枯れる、というのを繰り返してきて、この株は”3度目の正直”を狙っている株なので。あと3年ぐらいうまくいけば確信が持てるんですが。

↓これはちょっと前の写真になりますが、抜け落ちたリドレイの葉です。ビカクもいろいろありますが、落ち葉が綺麗なのはリドレイだけじゃないかと思います。落ち葉が綺麗、というか、捨てるのがもったいないというか。何日かはこうやって飾っておけますよ!

Platycerium ridleyi

↓これは現在。今年の夏に伸びた胞子葉から胞子がどさどさと。そして臭い(笑)

Platycerium ridleyi

↓以下、その他。パキポとディッキア。パキポ2号はまだふつうに青々としてます。休眠してくれません。困った。

Dyckia marnier-lapostollei var. estevesii (WBC2006, Bill Baker)

↓ Dyckia marnier-lapostollei var. estevesii (WBC2006, Bill Baker)

Dyckia marnier-lapostollei var. estevesii (WBC2006, Bill Baker)

一昨年に黒い焼き菊鉢に植え替えたんですが、菊鉢から染み出たものなのか、塩にヤラれて(表土に出た白いのナメたら辛かった)大変なダメージを被ったことがあって。昨年の春にプラ菊鉢に植え替えてなんとかここまで復帰。ディッキアは塩には強いんでしょうか。冬季の水やりすぎが原因だったかも。以前みたいなふわふわのエステベシーにはやく戻ってもらいたいです。

 

PDF:明治四十二年度定価表

翌年明治42年のカタログですが、横浜市立図書館デジタルアーカイブにてPDFをみつけたので、そっと保存しました。

http://www.lib.city.yokohama.lg.jp/Archive/DTRP0320?SHIRYO_ID=3269

PDF39ページ(カタログ33ページ)に。

あけましておめでと

あけましておめでとうございます。

年単位の時間をかけて弱られると参っちゃいますよねぇ。ワリチー、とっても魅力的なビカクシダなので、なんとか長く居ついてもらいたいのですが。これがダメになってしまったら、逆にもうあきらめられそう。

 

あけましておめでと

あけましておめでとうございます。

時差ボケ矯正したいですよね。

と思っていたところ、ごく最近になって、初期の葉が薄っすらと黄色みを帯びてきました! 根腐れじゃないといいんですが・・・