plattojpさんのブログ

June#1

↓ Platycerium wallichii 1枚目の胞子葉の先端を折ってしまいました・・・。この向こう側にカトレアが置いてあって、カトレアの水やりをするとき(少なくとも1週間に1回ほど、多くて3日に1回)はワリチーをどかして、カトレアコンテナを取り出して、云々・・・と作業するのですが、そのときに私の尻にぶつかって折った可能性が大。やっぱりビカクシダは広い場所で栽培したほうがいいですねぇ。がさがさ場所を動かさないほうがいいでしょうし。葉っぱ揺らしたりこすったりするとエチレン放出量が増えるんでしたっけ。植物にとってのストレス物質(?)だったような。

Platycerium wallichii

↓ Platycerium quadridichotomum 貯水葉が成長不良です。胞子葉の先端も壊死してしています。今年出る葉っぱはもう全部出てしまっているので、きれいな完成は望みが無くなりました。5月の乾燥した強風にさらしてしまい、新葉先端を傷めてしまったのが原因だと考えています。もうすこし遅くまで室内においておけばよかったです。でも、この後ろ側には子株達がきれいに育っていて、それが救い。もしかすると↓この面はもう収束で、後ろ側が近い将来の正面になるかもしれません。でもその前に子株を取って仕立て直すか、この親株の棒付け直しをする可能性のほうが高そうです。右上の方に半分ぐらい写っているハンギング鉢はバックアップ機です。鉢植えのまま株が大きくなり、子株も育っていたのですが、親株の茎が伸びて”浮いて”きて弱っていたので、3週間ほど前にリセットしました。親株は破棄して子株を取り分け。このシーズンの株分けが今回はうまくいって、クアドリのバックアップ体制はかなり万全となっています。

Platycerium quadridichotomum

↓ Platycerium willinckii 左の2つは’初めてのウィリンキー’、右が2つが’Rboonchom’です。貯水葉がまだ貧弱ですが、胞子葉は普段通りに成長しています。もともとの株がある程度のサイズだったので、すでに子株も吹いてきています。子株が増えて王冠ができてくれば、また腐葉土とSugoi-ne投入で大きくしたいと思っています。4つもあるとウィリンキー暖簾ができそうです。

Platycerium willinckii

↓ Platycerium andinum これも大切な株。初めての植物個人輸入で入手したもので、思い入れのあるビカクシダです。ウィリンキーと比べると遅れてしまった感じですが、ようやく活着したようで、貯水葉の展開に勢いが出てきました。アンディヌムは毛深いので、伸長途中の若い貯水葉が重なると、ひっかかってしまってきれいに展開できないことがあります。重なってつづれてしまっている部分の後ろ側を指でなでて、伸ばしてあげています笑 アンディヌムはモフモフですね〜

Platycerium andinum

↓ Platycerium ridleyi ワイドフォーム 新しい貯水葉が展開してきています。枯れた貯水葉はワラジーにかじられたりなんだりでけっこう隙間がある様子だったので、水苔を少量つめてあげました。

Platycerium ridleyi

 

June#2

↓ Hibiscus x rosa-sinensis 'Tahitian Princess' 今シーズン初のハイビスカス開花。T.P.ちょっと勢いが弱いです。連休明け頃に植え替えしたんですが、根っこは思ったほど回っていなかったし、にもかかわらず鉢底の方でとぐろを巻いていた太めの根をカットしたり、要らぬダメージを与えてしまったように思います。植え替えしなかったシルバーメモリーズは大きな葉を元気に展開しているし、T.P.も植え替えしなければよかった orz。

Hibiscus x rosa-sinensis 'Tahitian Princess'

↓ Dyckia marnier-lapostollei 手前の株はマルラポ実生からの選抜ということで2008年頃にヤフオクで入手したもの。焼菊鉢に植え替えて根腐れさせてしまい、プラ菊鉢に植えなおした後に職場に出向させ、直射光下のコンクリート床に置きっぱにしていたらどうにもこうにも傷んでしまい、自宅に帰還させたのが昨年の秋頃(だったか?)。その後、しだいに調子を取り戻してきていて、あと2,3年すれば以前のように綺麗な株に仕上がるのではないかと思ってます。向こう側のマルラポは2006WBS BillBakerコレクションクローン。これもほぼ同様にして痛めてしまったんですが、自宅に帰還させるのが手前マルラポよりもすこしだけ早かった分、快復度合いも違っています。こちらは子株も出始めていて、多頭復帰も近いかと思っています。個人的にマルラポは単頭より多頭のほうが好きです。

昨秋入手した手前のパキポグラシリスは花茎が4本あがっていて最近まで花満開だったんですが、胴体がやわらかめだったので花は摘みとってしまいました。葉っぱはわさわさ茂ってますが、胴体がかちかちになってくれないといまいち安心できません。もしかするとかちかちには戻らならないんでしょうかねぇ。

Dyckia marnier-lapostollei

↓Petunia x hybrida 'Night Sky' 強光線下のハイコントラストなペチュニアもよいですが、薄暗みのなかのペチュニアの豊かな色の変化もまた面白いものです。とくにこのナイトスカイはとても風情があってお気に入りになりました。でもちょっと星少なめでしょうかね。星多すぎでも趣が半減してしまっていやですが、もうちょっと多くなってもらえるといいなぁ。肥料足りないのかなぁ。日照が足りないのかなぁ。ペチュニアを冬越しされている方がけっこういらっしゃるようで、このナイトスカイも冬を越させたいなと考えたりしています。ハルディンのペチュニアを調べてみたら、ブラックサテンという黒花の品種があるみたいで。ペチュニアにかぎらず黒花はあまり好きではないんですが、ブラックサテンにこの星が乗ったら欲しいなぁ。

Petunia x hybrida 'Night Sky'

Life with Platycerium ridleyi

Life with Platycerium ridleyi

お絵かき、はじめました。本日のモデルさんは、リドレイ2号です。シャーペンでスケッチブックに輪郭を描き、今日は”点”で影をつけてみました。が、影の付け方が難しい・・・

スケッチ#0 リドレイ2号

リドレイ、葉脈はスーッと素直な線状をしていて描きやすかったです。先週はホルタミーを描いたんですが、ホルタミーは葉脈がタイヘンでした。

色付するつもりはなかったんですが、どんなふうになるのか試しにPC使ってやってみました。

スケッチ#1 リドレイ2号

スケッチ#2 リドレイ2号

スケッチ#3 リドレイ2号

水彩画ちっく。

それにしても、植物画、うまくなりたすぎる。ひたすら描く!

象みみ

猫みみならぬ、象みみ!(あまり需要はなさそう) 件の名を持つビカクシダ。Platycerium elephantotisです。

ほれほれ、たぷたぷ

Platycerium elephantotis

↓2013年4月23日の姿はこんなんでした。

A Life with Platycerium elephantotis

↓そして現在

Platycerium elephantotis

そのへんの植物園でも見られないような見応えのある株になりました。立派立派。

↓金網面からだいぶ遠くまで茎が伸びてきてしまいました。水分をうまくコントロールしないと成長不良になってしまうのではないかと少し不安です。

Platycerium elephantotis

↓いちおう貯水葉の後ろにミズゴケを詰めてあげましたが、乾きやすくて少々心もとないです。そのうち腐葉土でもぶっかけてやろうかと思っています。あとはハス口で上から全面に水をかけるようにすればいけるかな。夏はいいですが、冬に室内での水やりに悩みそうですね。

Platycerium elephantotis

↓子象1号。クアドリのミズゴケに生えてきたのを鉢上げした株。2013年夏に胞子を播いたかも→2014年4月28日2015年5月24日2015年7月26日→本日のお姿。

Platycerium elephantotis

↓ペチュニア・ナイトスカイ。

「あ、これすげ」と思い迷わずポチりました。あまりの衝撃に、1セット2ポットだということに気づかず2つを注文して4ポットも届いてしまっておやビックリ & 届いたポット苗の実物を見ても星空合成(写真のよう)にしか見えない花に2度ビックリという。

ペチュニア ナイトスカイ

個性が強いので、ガーデニングなどをしている方は何と合わせるか悩まれるんでしょうねぇ。

星空に合うもの・・・やっぱりスゲかなぁ。

よく考えてみたらペチュニア育てるの初めてです。。。 たまにはこういうのもいいですね。

ビカクシダとその記載論文

たとえば「アンゴレンセ」と「エレファントティス」どっち?みたいな、ビカクシダの学名について気になることがあって記載論文を見てみたいと思い、図書館に複写依頼できるのかどうか以前から気になっていました。いかんせん年代が古いものばかりで見つかるのかどうかもわからないし、しかも記載ページ数が書かれていないものもなどはまるごと1冊コピーしないといけないのかなぁと悩んだり。

それで今回、なぜかこれまでやったことがなかったネット検索をしてみたら・・・、なんとけっこう見つかるではないですか!しかもPDFでダウンロードまで出来てしまう!!というわけで、金曜の夜から夜なべして発掘作業をしていました。目の下、はれてます(笑

 

Platycerium alcicorne Desv.
 -- Mém. Soc. Linn. Paris 6(3): 213. 1827
   Prodrome de la famille des fougères
Platycerium alcicorne Gaudich.
 -- Voy. Uranie, Bot. 307 et auctt. 1828 [27 Dec 1828]
Platycerium alcicorne (Willem.) Tardieu
 -- Notul. Syst. (Paris) 15: 417, t. 1(1-2) (non Desv.). 1959.

Platycerium andinum Baker
 -- Ann. Bot. (Oxford) 5. 496. 1891.
   A Summary of the new Ferns which have been discovered or described since 1874
 -- Christ, Hedwigia 44. 363. 1905.

Platycerium angolense Welw.; Bak.
 -- Syn. Fil. (Hooker & Baker) 425, in adnota 1868.
sym. Platycerium elephantotis Schweinf.
 -- Bot. Zeitung (Berlin) 29: 361, fig. 1871.

Platycerium bifurcatum (Cav.) C.Chr.
 -- Index Filicum 1857.
Platycerium bifurcatum (Cav.) C.Chr.
 -- Index Filic. 496. 1906.
Platycerium bifurcatum subsp. bifurcatum Hennipman & M.C.Roos
 -- A monograph of the fern genus Platycerium (Polypodiaceae) 1982.

Osmunda coronaria Konig; Mull.
↓ -- Naturforsch. Halle 21. 107 t. 3. 1785.
Platycerium coronarium (Konig) Desv.
 -- Mém. Soc. Linn. Paris 6(3): 213. 1827
   Prodrome de la famille des fougères

Platycerium ellisii Baker
 -- J. Linn. Soc., Bot. 15: 421. 1876.

Neuroplatyceros grandis Fée
| ↓ -- Mém. Foug., 2. Hist. Acrostich. 103. 1845
| Platycerium grande (Fée) Kunze
|   -- Linnaea 23: 274. 1850.
↓     参考資料:Kunstformen der Natur
Platycerium grande (Fee) C.Presl
 -- Epimeliae Botanicae 1851.

Platycerium hillii T.Moore
 -- The Gardener's Chronicle ser. 2, 10 1878.

Platycerium holttumii Joncheere & Hennipman
 -- Brit. Fern Gaz. 10: 116, f. 1-3, t. 12. 1970.

Platycerium madagascariense Baker
 -- J. Linn. Soc., Bot. 15: 421. 1876.

Platycerium bifurcatum (Cav.) C.Chr. var. quadridichotomum Bonap.
↓ -- Not. Pterid. 4: 84. 1917.
Platycerium quadridichotomum (Bonap.) Tardieu
 -- Notul. Syst. (Paris) 15: 420, t. 1(3-5). 1959.

Platycerium ridleyi Christ
 -- Ann. Buit. II. Suppl. III. 8 t. 2. 1909.

Acrostichum stemaria P.Beauv.
↓ -- Fl. d'Oware 1. 2 t. 2. 1804.
Platycerium stemaria (Beauv.) Desv.
 -- Mém. Soc. Linn. Paris 6(3): 213. 1827
   Prodrome de la famille des fougères

Platycerium superbum Joncheere & Hennipman
 -- Brit. Fern Gaz. 10: 114, f. 4, 5. 1970.

Platycerium veitchii C.Chr.
 -- Index Filicum 1857
Alcicornium veitchii Underw.
 ↓ -- Bulletin of the Torrey Botanical Club 32 1905.
| Platycerium veitchii (Underw.) C.Chr.
   -- Index Filic. 497. 1906
Platycerium bifurcatum (Cav.) C.Chr. subsp. veitchii (Underwood) Hennipman & M.C.Roos
 -- Monogr. fern genus Platycerium (Polypodiac.) 91. 1982.

Platycerium wallichii Hook.
 -- Gard. Chron. 1858. 765.

Platycerium wandae Racib.
 -- Bull. Int. Acad. Sci. Cracovie 1902. 58.

Platycerium willinckii T.Moore
↓ -- Gard. Chron. n.s., 3. 301 f. 56. 1875.
Platycerium bifurcatum (Cav.) C.Chr. subsp. willinckii (T.Moore) Hennipman & M.C.Roos
 -- Monogr. fern genus Platycerium (Polypodiac.) 92. 1982.

そのほかの名前

Platycerium vassei hort.; Rev.
 -- Horticole 1910. 530;

Platycerium diversifolium Bonap.
 -- Notes Pteridol. 4. 84. 1917.

Platycerium wilhelminae-reginae Alderw.
 -- Bull. Dépt. Agric. Indes Néerl. 18: 24, t. 6-7. 1908

 

以上は、「現在一般的な名前」からに過去に遡っていくかたちで記録を追っています。木に例えるとするなら、「葉から根本に向かっている」ようなイメージです。なので、実は他に知らない枝が存在するかもしれません。具体的には、ステマリアやビーチーのところで「Acrostichum」「Alcicornium」といったヘンな属名が登場しています。これは、ビカクシダが「Platycerium」になる以前の名前だったり、別の名前に変えられたことがある痕跡だったりします。とくにビーチーはすごいなと思ったんですが、まずC.Chrさんが「Platycerium veitchii」と発表したのを、Underwoodさんが「やっぱ Alcicornium veitchiiだべ」ていって、翌年にC.Chrさんが「は?何いってんのそれPlatyceriumだから」と戻したぽいことが名前の変遷から見てとれます。後に Hennipmanさんと M.C.Rootsさんが「bifurcatumのsubsp.ってことでファイナルアンサー」しちゃってます。C.Chrさんはもうご存命ではないでしょうから・・・。もし C.Chrさんがご健在なら、やっぱまた名前を戻したかどうか?けっこう強い心の持ち主だったんかなあ etc... 中身をちゃんと読んだわけではないのであくまでも妄想です。妄想にしてもちょっと”過ぎる”感じですが。でも、なんか、そんな妄想、面白くないですか?

でも、やっぱり気になるので Underwoodさんの書いてることを読んでみました(英語苦手なのでざっくりと)。学名システムの問題点(?)や命名の経緯や優先順位について記されていて、なるほどUnderwoodさんの言い分は正しい、って思えることことが書かれています。Underwoodさんは真面目な胸熱なひとっぽいです。ちょっと誤解してました。・・・この辺、また別の機会にでも。

1800年代初期にはすでに stag-horn fernと呼ばれていたみたいです。日本では明治後期にはすでにコウモリランと呼ばれていました。大正には”ビカクシダ”も使われていたことがわかっていますが、どちらが先に使われはじめたかなどはまだはっきりしていません。いずれにしても長い間使われてきている名前。やっぱり土着の名前というのは、耐久性もあって、愛着も持てて、いいものですね。

はじめは軽い気持ちで学名命名周辺を調べ始めたのですが、とんでもない深みにハマってしまった感じ。

 --- 5/20 追記↓

と、いろいろ調べているうちに、学名の歴史や記載論文記述の難しさを思い知り、プロ研究者のビカクシダに関する仕事っぷりを目の当たりにしたりして、知恵熱出てきました。記載論文と標本の対応も???で、もう基本的なところが分かっていなさすぎて、あぁもうグッタリ。

以上、いろいろありますが、

象さんは Platycerium angolense じゃなくて Platycerium elephantotis だね。やっと納得できた。

っていうここ一週間を経ての感想です。

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