このサイトでは ウラボシ(Polypodiaceae)科 プラティケリウム(Platycerium)属 の植物達をビカクシダと呼んでいます.※ほんとは 和名:ビカクシダ=Platycerium bifurcatum

和名麋角羊歯の名前の由来:
「叉状に裂けた葉形が麋(び)すなわちオオシカの角に似ているから。」(原色牧野植物大図鑑・続編(北隆館))

アンゴレンセ、なんと3枚目の胞子葉が

登場回数多めのアンゴレンセです。2枚目の胞子葉(左側)が完成間近となりました。昨年は通常であれば株分けリセットするタイミングだったのですが、それをあえてせず。”ご家庭”において、群生がどこまでいけるのかためしてみることにしたのです。その甲斐あってか、はたまた愚行極まってか、これまでになかったぐらい大きな胞子葉となりました。長さ70cm強ほど。先端のほうで幅約40cm。朝日に輝く貫録の胞子葉!

Platycerium angolense

Platycerium angolense

Platycerium angolense

↑ついつい正面ばかり、成長著しい胞子葉ばかり撮ってしまっていましたが、葉っぱの長さを図ろうと横からのぞきこんだところ、なんと3枚目の胞子葉が伸び始めていることに気づきました!子株では胞子葉が3枚以上でることもしばしばありますが、これほどのサイズの株で3枚目の貯水葉が出てきているのははじめて見ました。↓

これも普通に大きく育つんでしょうか。小さめになりそうな気がしていますが、、。

Platycerium angolense

↓そしてまた気づきたくないことも発見してしまい。。。今年1月中旬ごろの写真には写ってなかったので比較的最近できたものなんでしょうけど、感染跡です。よーく見ると、枯れた部分の中心付近から外側に向けて輪紋状に感染が拡がった様子がわかりますね。ほんとうに嫌な枯れ方。この枯れ跡、キライです。

アンゴレさんは(うちでは)冬シーズンに緑色の貯水葉に水がかかるとこのように菌感染しやすいです。アンゴレさんだけなんですよねぇ、こうなるの。春〜夏〜秋にはならないし、むかしは気にしたこともなかったのに、ここ数年になってなぜでしょう。謎。

今シーズン前半は順調に綺麗な緑色をキープできていたので、ちょっと油断して大胆に水をかけてしまったことがあったのですが、きっとそれがいけなかったのでしょう。室内に取り込んですぐのころに1度殺菌剤を散布してはいたのですが、やはりその後も定期的に散布したほうがよかったのかもしれません。

Platycerium angolense

 

ぱきぽ再起動

↑”イモ”コーナー。パキポ1号はもうすっかり活動再開していて花茎もこんなに伸びています。葉も伸びてきていますが、この時期は日照も微妙だし、本当はおとなしくしていてほしいところですが。水分が足りていないのか、胴体が柔らかめです。2月になってからは、週末休みにサッと軽く水やりしています。

このパキポ1号なんですが、近年はいつも8月下旬ぐらいから葉が落ち始めていて、なんだろ?菌?根腐れ?と不思議に思っていたんですが、気づいたんです。葉の付いている期間が2,3,4,5,6,7,8月、と約半年間にも及ぶことに。おそらく、落葉するのは単純に葉の寿命なのではないかなと。枝によっては芽の動き出しが遅めのものもあるんですが、そういう枝の葉は、動き出しの時間差分ぐらい遅い時期まで葉は落ちないんです。休眠からはやく目覚めてしまわないようできるだけ室内の暖房は使わないようにしているんですが、それでもやっぱり室温が高めなんでしょうね・・・。今年もまたこの時期に活動再開です。

2号は、年末に葉が黄色くなりはじめ年明けには落葉が始まり、1月中旬頃にはなんとか休眠入りしてくれました。そして今、1つの枝は芽が活動を始めました。そのほか2、3の枝においても芽がふっくらしてきています。 もうすこし寝ていてくれてもよかったんですが、生きていたことが分かってほっとひと安心してもいます。

そういえば今シーズンの補助光源

もう昨年晩秋のこととなってしまいましたが、さてさて設置設置〜っと思ってLED照明をセットしたら点かなかった・・・。ボルクスのLED、1コ壊れてしまいました。

数時間とはいえ直射光が当たる環境で使用していたため、電源回路にガタがきたか?と放熱フィンをはずして内部の回路を見てみましたが、とくに目立って消耗してそうなパーツも見当たらず。測定機材や特別な工具があるわけでもないので無理していじって感電なんかしてしまったらタイヘンだし、そっと元に戻して終了。ホントはテスターは持ってますが、やっぱりAC100Vは怖いですし。

このようにしてシーズン初めに出鼻をくじかれ、テンションガタ落ち&面倒くっさ、で、10月下旬にカトレア取り込んでから11月いっぱいぐらいは太陽光線のみで管理していました。ところが、どうもカトレアさんの顔色が良くありません。午前中太陽光のみでは足りない様子だったので、補助光源必須か、と気を取り直し新しいボルクスLEDリーフパープルを購入。そしたら4年前にはなかった白色光の新しい製品をみつけてしまい、それも試しにと衝動買いしてしまったという。

ボルクスジャパン GrassyLeDio(グラッシーレディオ) CS073 フレッシュホワイト
ボルクスジャパン GrassyLeDio(グラッシーレディオ) RS073 リーフパープル
https://www.volxjapan.co.jp/products/Grassy-LeDio-RS073.html

↓右側の方の怪しい光がリーフパープルで、左側の怪しくないのがフレッシュホワイト。葉の色が全然ちがって見えますね。やっぱりパープルは、青赤成分が葉に吸収されてるかんじがしますね。

補助光としてのLED

↓新しい製品は放熱フィンがより細かくなっていて排熱効率があがっているぽいです。以前のモデルでは”二又”になっていたフィンが、”三又”になっています。重量も2割軽量化だそう。しかしこのフィン、見事な造形です。壊れたからといっても、この放熱フィンを捨てるのはちょっともったいない気がしてしまいます。きっとなにかに使えるはず!でもきっと使わない・・・。

LED電球に送風

これまでずっと気になっていたLED電球の発熱問題。今シーズンはファンで送風しています。秋葉原の千石電商で発見&入手した、風の強さを弱・強と切り替えられ、電源ケーブルはUSBの口、という使い勝手よいファンです。やっぱり送風するとぜんぜん違います。↑写真のようにLED電球放熱フィンの1方向だけに風を当てているだけなのですが、点灯中のLED電球放熱フィンを触ってもまったく熱くありません。風が当たらない側を触ってもヒンヤリとした金属の感触がします。↑右手前のリーフパープルはファンから離れているので当たる風が弱く、放熱フィンの温度は高めです。もう一つファンを投入しても良さそうです。熱による電源回路の負担を減らして、LED電球の寿命を延ばしたいところです。

太陽の北上に伴い、室内の日照時間が次第に短くなってきています。LED電球の補助も足りなくなってきてしまいそう。はやく屋外に出せないものか。5月が待ち遠しいです。葉焼け対策がまたタイヘンですけれども。

↓さてさて、ベランダでは春の花が。Tecophilaea cyanocrocus、青が強いものと leichtliniiの混植です。球根がだいぶ増えて賑やかになってきました!鼻を近づけるとかすかに甘い香りがします。 

Tecophilaea cyanocrocus

Tecophilaea cyanocrocus

↑ 肥培で球根増殖。ガンガン増やす!大群生にしてみたいです。紫色の花がさく品種も混色してみたいたいです。”ほぼ白”みないなものも写真を見たことがあって気になっています。

クレイジーな部屋

 

ビカクシダ近況

今朝の週末集中水やり時間後のまったり時間にて。

2つ並んでぶら下がっているもの、右側は前回も取り上げたいつもの小型ビカクです。左側のは、昨年のいただきものの Platycerium bifurcatum 'Hawaiian Pareo' 。まだ小さいのに貯水葉の上部が細かく切れ込んでいて、大きくなるのが楽しみなビカクシダ。

Platycerium bifurcatum 'Hawaiian Masami'

↓ヒリー達のトレイです。昨年末に室内に取り込みました。ヒリーはビフルカツムほど強靭な耐寒性はない(葉が傷みやすい)ので、最近は取り込むようにしています。晩秋から続く成長シーズン中で、そろそろ胞子葉サイクルが始まりそうです。

Platycerium hillii

↓アンゴレンセ(エレファントティス)です。2枚目の胞子葉も大きくなってきました。熟成油粕と水をたっぷりあげているためか、胞子葉がとても大きくなりそうです。後ろのワイヤネットは60x90cmサイズ。

Platycerium angolense

↓湿度保護用フレーム組ビカクシダのクアドリディコトマムです。成長サイクル始まりました。貯水葉1枚目、動き始めています。2,3日前にうっかり干し上げてしまい「やっちまった〜っ」と焦りましたが、無事復旧。

Platycerium quadridichotomum

↓クアドリ、バックアップ機。こちらも活動再開。 これはプラポットにミズゴケで植えてあります。水切れになりにくいためか、頑丈に育っているように思います。

Platycerium quadridichotomum

↓リドレイ水やり。直径が大きくなってバケツが窮屈になってきたので、腰高なトレイに漬けるようにしてやってます。もしかすると、そろそろ板付直しが必要かも。ということで、今年は梅雨ぐらいに板付け直し予定、ですかねぇ。時期はいつがいいのか分からないんですが、前回は夏頃だったと思うのでまたそのぐらいの時期に。

Platycerium ridleyi

↓ワリチーその後。そこそこ早い成長スピード?ではなく、このぐらいのサイズに育ってくると、あとは普通の成長スピードになるように思います。昨日の朝に水やりしました。貯水葉が黒ずんでいて、水分をしっかり含んでいる様子がわかるかと思います。いい感じで成長しています。水のやり過ぎに注意です。

Platycerium wallichii

↓リトープス、脱皮中。先週さっと土の表面が軽く濡れるぐらいの水をかけました。ちょっと古い葉の水分が残りすぎていますかねぇ。2重脱皮してしまうかなぁ。どうしても水をやりたい・・・けど、我慢。

リトープス脱皮中

 

Hibiscus x rosa-sinensis 'Kan Lemon'

寛レモンが咲いたのでアップ。他のハイビは強剪定してしまったのですが、寛レモンだけは剪定せずに枝を残しておいたんです。年末あたりからぽつぽつと咲いてはいましたが、やっとタイミングよく咲いてくれて写真撮れました。

開花した翌朝の花です。部屋に取り込んでからはときどき水切れさせてしまうし、肥料もほとんどあげていないためか、小さめの花ですね。直径13cmぐらい。

Hibiscus x rosa-sinensis 'Kan Lemon'

金運アップ希望。

 

ビカク2号はアルシコルネ?(2015夏の自由研究)

これが今年最後のアップになりそうです。

年内になんとかしたいなー、と思いつつも権利関係の確認作業に着手しなかったために紹介できなかった大きなネタがあります。今年の夏の自由研究「ビカクシダの日本渡来に迫る」です。実は、昨年末頃から、ビカクの日本渡来に近づこうと古めの資料を探していました。研究とか迫るとか調査とかいってもそんなたいしたことはしていないのですが、ようするに、”ビカクシダ”あるいは”コウモリラン”のキーワードが載っているできるだけ古い資料を探す、ってことです。神保町の古書店に通ったりネットでいろいろ調べたりして、資料コレクションを拡充、今年の6月に国会図書館資料の紹介などしていたのはこの自由研究の一環であったわけです。でも辿れたのは昭和一桁まで。牧野富太郎先生によると「ビカクシダの日本渡来は明治初年1870年代だろうと思われる」とのことだったので、まだまださかのぼれるだろうとせっせこ調査を続けました。

で、そんなこんなでたどり着いたのは横浜開港資料館。渡来モノをさがすならその窓口へ!そりゃそうですね。意外にもわりと近いところにそれはありました。6,7,8月の週末は折を見ては横浜開港資料館に通いましたよ、ええ。

横浜植木株式会社の「明治四十一年度 定價表(CATALOGUE OF THE YOKOHAMA NURSERY CO., LTD.)」。1908年、いまから100年以上も前の輸入植物のカタログ。室内鑑賞植物カタログ35ページにビカクシダさん居ました!当時の価格は70銭。ほほぅ。

1914-15年大正3-4年度カタログにはビカクシダの白黒写真が初めて登場します。ビカクシダ写真入りとしては横浜植木では最初のカタログです。

そして・・・ と、ここで突然の流れぶった切りですが、今回はここまで。掲載許可をもらってカタログのコピー画像を掲載できたらいいな!と思っています。 開港資料館で問い合わせたところ、”この写しをネットに掲載してよいかどうかの判断については横浜植木に直接ご確認ください”、とのことでしたので、ちょっと手間がー。手元にはもうコピーがあるのに、うずうず。

待ってらんないから、という方はぜひ開港資料館に行ってみてください。地下1Fの閲覧室で原本の写しを見ることができます。地上階の展示室は見ないで閲覧室のみの利用なら100円で入館できます。

洋らん、サボテン、その他の観葉植物についても、へー、この時代にこれもう入ってきてだんだーとか、ソブラリア・マクランサの白花が50円!すごー。とか、ネペン8円、ボストンタマシダ2円(負けた)、モンステラ・デリキオサ75銭(負けた)いろいろ面白いです。

 

で、ビカクシダの日本渡来に関連して注目したいのは、↓のビカクシダ2号なんです。

もしかしたら・・・またしてもここで中断&来年につづく。

 

そして、ここからは強引に近況報告に切り替え。

昨年3回めの株分けをしたビカクシダ2号です。
2014年8月株分け直前のお姿株分け直後2014-2015冬 → 現在に至る。

ビカクシダ2号 Platycerium bifurcatum(Platycerium alcicorne)

じつは昨日までベランダに居ました。今年の冬ははやはり暖かめで、寒さのダメージが少ないです。というか元気に成長を続けています。強い子です。でもまだちょっとお子さまなので、今年も厳冬期は室内で保護。あと2年ぐらいしたらまた通年ベランダに切り替えようかと予定しています。

ビカクシダ2号 Platycerium bifurcatum(Platycerium alcicorne)

メインの株の伸び始めた小さな葉。手みたいじゃないですか?サンショウウオの手、みたいな。こうして写真見てるとかわいいもんですねぇ。

ビカクシダ2号 Platycerium bifurcatum(Platycerium alcicorne)

今年の春にはすでに子株の芽が出ていたような気がします。その後順調にそだって、やっと最初の胞子葉が出てきました。来シーズンはさらに育つだろうし、新たな子株も増えてきそうで、いっきにボリューム感が増すのではないかと思います。

↓ワリチーの現在の様子。すでに活動を再開しています。でも要注意で、ここで意気込んで水をたっぷりあげはじめたりすると根腐れしてしまいます。貯水葉に貯水された水分をしっかり使いきってから次の水をあげるぐらいのペースがよいと思います。またこのあたらしい葉の動きが激遅なんですよねぇ。そういうこともあって、水はそんなに積極的にはいらないです。水が足りなくて、胞子葉が脱力しはじめて・・・はいそこで水やり、みたいな、そういうペースです、うちでは。

Platycerium wallichii

といっても、ワリチーはそんなに長い年月育てたことがないので、正しいのかどうか自信がないです。これまで、1年目元気→2年目貯水葉がしょぼくれ胞子葉は元気→3年目のはじめに枯れる、というのを繰り返してきて、この株は”3度目の正直”を狙っている株なので。あと3年ぐらいうまくいけば確信が持てるんですが。

↓これはちょっと前の写真になりますが、抜け落ちたリドレイの葉です。ビカクもいろいろありますが、落ち葉が綺麗なのはリドレイだけじゃないかと思います。落ち葉が綺麗、というか、捨てるのがもったいないというか。何日かはこうやって飾っておけますよ!

Platycerium ridleyi

↓これは現在。今年の夏に伸びた胞子葉から胞子がどさどさと。そして臭い(笑)

Platycerium ridleyi

↓以下、その他。パキポとディッキア。パキポ2号はまだふつうに青々としてます。休眠してくれません。困った。

Dyckia marnier-lapostollei var. estevesii (WBC2006, Bill Baker)

↓ Dyckia marnier-lapostollei var. estevesii (WBC2006, Bill Baker)

Dyckia marnier-lapostollei var. estevesii (WBC2006, Bill Baker)

一昨年に黒い焼き菊鉢に植え替えたんですが、菊鉢から染み出たものなのか、塩にヤラれて(表土に出た白いのナメたら辛かった)大変なダメージを被ったことがあって。昨年の春にプラ菊鉢に植え替えてなんとかここまで復帰。ディッキアは塩には強いんでしょうか。冬季の水やりすぎが原因だったかも。以前みたいなふわふわのエステベシーにはやく戻ってもらいたいです。

 

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